{ "404001111_0": "ナインホープ作戦・前編", "404001111_1": "「調さんですが、状態としては通常の睡眠と同じです。\\n ただ、目覚める気配が全くありません……」", "404001111_2": "「くッ……まさかこんな事態になるとは……。\\n 未知の聖遺物との接触など、許可を出すべきでなかった……」", "404001111_3": "「司令の責任じゃないわ。\\n 調本人がそれを望んだんだもの」", "404001111_4": "「あの子が、デュオレリックが無いことで焦っているのは\\n 気づいていたのに……わたしが止めていれば……ッ!」", "404001111_5": "「それならアタシも同罪デスよ……」", "404001111_6": "「エルフナインちゃん、前にわたしが眠った時に使ったっていう、\\n ナントカって装置は使えないかな?」", "404001111_7": "「そうか、電界顕微観測鏡を使って\\n 仮想脳領域から原因を特定すれば――」", "404001111_8": "「……いえ、それも無理でした。\\n 調さんにアクセスそのものができないんです」", "404001111_9": "「では、以前の立花の時のように、\\n 本人が無意識化で拒否しているということか?」", "404001111_10": "「いいえ。それ以前に仮想脳領域作成のための第一段階の\\n 接触すら弾かれてしまうんです」", "404001111_11": "「恐らくは握りこんでしまっている、\\n 八尺瓊勾玉の影響だと思われます……」", "404001111_12": "「そんな……」", "404001111_13": "「……それじゃ、何も手が出せないってことかい?」", "404001111_14": "「……今のところは」", "404001111_15": "「月読さん……」", "404001111_16": "「方法を探してみます。だから、時間をください」", "404001111_17": "「ああ、君にばかり負担をかけてすまないが、なんとか頼む……」", "404001111_18": "「はい」", "404001111_19": "「……俺たちは調くんが目覚めなかった時も考慮して、\\n ナインホープ作戦についての計画を修正する」", "404001111_20": "「……そうね。あの子の分はわたしたちで埋めてみせるわ」", "404001111_21": "「すまない」", "404001111_22": "「エルフナインくん、調くんの件はともかく、当初の目的――\\n 『鼓星の神門』の術式の確認については達成できたのか?」", "404001111_23": "「はい、そちらは問題ありませんでした。\\n 多少の調整くらいで済みそうです」", "404001111_24": "「ヴェイグさんも大丈夫そうだ、とのことです」", "404001111_25": "「わかった。人員が必要な場合はこちらに知らせてくれ」", "404001111_26": "「はい」", "404001111_27": "「わたしにも――いえ、わたしたちにも何かできることがあったら、\\n 遠慮なく言って。力になりたいの」", "404001111_28": "「ありがとうございます……」", "404001111_29": "「調……」", "404001111_30": "「…………」", "404001111_31": "「本当にただ眠っているだけみたい。\\n 身体の方は大丈夫なのよね?」", "404001111_32": "「はい。バイタルサインも安定しています。\\n その他に不調は見られません」", "404001111_33": "「状況から八尺瓊勾玉が原因なのは明らかです。\\n ですが、無理に引き剥がすのも危険が伴います」", "404001111_34": "「聖遺物によって引き起こされている事態である以上、\\n 調さんへの影響も未知数ですので……」", "404001111_35": "「それじゃ、見ているだけしかできないのかよ……」", "404001111_36": "「これはキツイね……」", "404001111_37": "「調ちゃん……」", "404001111_38": "「はい、翼です。\\n ……わかりました」", "404001111_39": "「みんな、月読が心配なのはわかるが、\\n わたしたちにはわたしたちのするべきことがある」", "404001111_40": "「カルマノイズが出現したとのことだ。\\n 対処に向かうぞッ!」" }