{ "404001032_0": "「行きますッ!」", "404001032_1": "「奏ッ!」", "404001032_2": "「ああ、合わせるよッ!」", "404001032_3": "「トドメだッ!」", "404001032_4": "「うんッ!」", "404001032_5": "「そっちも終わったみたいね」", "404001032_6": "「自信失くすな。あたしらが1体倒す間に、\\n 何体倒してるんだよ……」", "404001032_7": "「すごいよねー」", "404001032_8": "「それは、ミョルニルが世界蛇の弱点なだけよ」", "404001032_9": "「終わったようだな。現状では他の敵の反応は見られない。\\n 迎えを送るから、帰投してくれ」", "404001032_10": "「わかりました」", "404001032_11": "「ねえ、帰投の前に、少しついてきてほしいところがあるの。\\n いいかしら?」", "404001032_12": "「え、わたしですかッ!?」", "404001032_13": "「ええ、できれば今回はあなた1人で。\\n あまり時間は取らせないから」", "404001032_14": "「響、行ってきたら?」", "404001032_15": "「あたしたちは先に戻ってるよ」", "404001032_16": "「わかりました。\\n えーと、何処に行くんですか?」", "404001032_17": "「……とにかくついてきて」", "404001032_18": "「ここは……お墓?」", "404001032_19": "「そう、わたしたちスクルドの墓地」", "404001032_20": "「そして、世界蛇によって滅ぼされた、わたしの故郷」", "404001032_21": "「――ッ!?」", "404001032_22": "「世界蛇に星のエネルギーを吸われ、荒野化が進み――、\\n 今では草木1つ生えない朽ちた世界よ」", "404001032_23": "「そう、なんですね……」", "404001032_24": "「寂しい?」", "404001032_25": "「……はい」", "404001032_26": "「でも、とても静かな場所よ」", "404001032_27": "「あの……、\\n どうしてわたしをここに?」", "404001032_28": "「……あなたをマスターに紹介したいと思ったの」", "404001032_29": "「マスター……って、ミーナさんを作った人?」", "404001032_30": "「そうよ」", "404001032_31": "「…………」", "404001032_32": "「…………」", "404001032_33": "「ありがとう。手を合わせてくれて」", "404001032_34": "「いえ、これがミーナさんの……?」", "404001032_35": "「ええ、マスターのものよ。\\n ここに作った、最初のお墓……」", "404001032_36": "「………」", "404001032_37": "「あなたに、聞きたいことがあるの」", "404001032_38": "「はい……」", "404001032_39": "「あなたにとって、『歌』ってなんなのかしら?」", "404001032_40": "「わたしにとって、歌は……」", "404001032_41": "「とっても大事なもので、かけがえのないもので、みんなとの絆で、\\n わたしの魂で――今は『希望』だと思います」", "404001032_42": "「希望……」", "404001032_43": "「はい。この胸の歌――わたしの歌はみんなを護れるんだって、\\n 信じてるんです。だから『希望』なんです」", "404001032_44": "「……わたしのマスターがいつも言っていたわ。\\n 歌の力を信じなさいって」", "404001032_45": "「わたしはそれを信じていなかったけど……」", "404001032_46": "「ミーナさん……」", "404001032_47": "「でも、あなたたちに会って、やっとマスターの\\n 言っていたことの意味がわかったような気がしたの」", "404001032_48": "「そうなんですね……」", "404001032_49": "「……わたしが、あなたのように歌の力――希望を信じて戦って\\n いたら、この場所のお墓も、もっと少なかったかもしれない」", "404001032_50": "「ユリウスたちは許してくれたけど、やっぱりわたしはわたしを\\n 許せないと思ってる」", "404001032_51": "「だから、次の戦いには命をかけるつもりよ」", "404001032_52": "「今日はあなたを紹介したいと思ったのと――、\\n もしもの時のためにマスターにお別れを言いに来たの」", "404001032_53": "「もしもの時って\\n そんなのダメですよッ!」", "404001032_54": "「命を粗末にしようってわけじゃないわ。\\n だけど、もう次なんて考えていられない状況よ」", "404001032_55": "「わたしは1人だもの。\\n わたしの命で世界蛇が倒せるなら――」", "404001032_56": "「ミーナさんは1人なんかじゃないです。\\n わたしたちがいます。ユリウスさんたちもいます」", "404001032_57": "「みんなで戦って、みんなで勝ちましょう。\\n 胸の歌を信じて戦えば、きっと勝てます」", "404001032_58": "「…………」", "404001032_59": "「だから、お別れのために来たなんて言わないでください。\\n もう一度、次は勝った後に報告にくればいいじゃないですか」", "404001032_60": "「……その時は、あなたもまた一緒に来てくれるかしら?」", "404001032_61": "「はいッ! もちろんッ!」", "404001032_62": "「ありがとう」", "404001032_63": "「うええええッ!?\\n うう……何もこんなタイミングでお腹が鳴らなくても……」", "404001032_64": "「フフッ、それじゃ帰りましょうか?\\n 空腹で装者を失うわけにはいかないから」", "404001032_65": "「はいッ! あ、報告の時はみんなも連れて来ましょうッ!\\n それで、お参りした後に一緒にご飯に行きたいですッ!」", "404001032_66": "「ええ、それもいいわね」", "404001032_67": "「やったッ! それじゃ約束ですよ?」", "404001032_68": "「わかったわ、……約束ね」" }