{ "404000141_0": "「フフ、もうすぐね。\\n 役者も、舞台も整ってきているわ」", "404000141_1": "「…………」", "404000141_2": "「あなたは不満そうね?」", "404000141_3": "「スクルドは新たなミョルニルを手に入れ、またその協力者の\\n 装者もミレニアムパズルの力を手に入れております」", "404000141_4": "「世界蛇本体の力とは比ぶべくもありませんが、\\n それでも、敵の戦力増強は歓迎できるものではないかと……」", "404000141_5": "「わたしは大歓迎よ。\\n だってその方が面白いじゃない?」", "404000141_6": "「大きな希望を抱かせ、それを踏みにじる。\\n 期待が大きいほど、失敗したときの絶望は深いわ」", "404000141_7": "「それに、なんの抵抗もしてこない相手なんてつまらないでしょ?\\n 少しくらいは障害になってくれた方が楽しいじゃない」", "404000141_8": "「その障害が大きすぎるものとなってしまう可能性もございます」", "404000141_9": "「あなたはずいぶん脅威を感じているみたいね。\\n ……それは、あの装者たちかしら?」", "404000141_10": "「……はい。ミョルニルについては以前の物と\\n そう大きくは変わらないと確認できております」", "404000141_11": "「つまり、世界蛇に通用するものではありません。\\n しかし……あの装者たちは事情が異なります」", "404000141_12": "「……続けて」", "404000141_13": "「過去に類を見ないほどの装者の数、更にその1人1人が我々の\\n 知る装者とは比べられないほどの力を持っていること」", "404000141_14": "「更には複数の聖遺物を同時に身に宿すという離れ業まで。\\n この短時間での成長速度には、恐ろしいものがあります」", "404000141_15": "「スクルドだけでは脅威となる可能性は低いでしょう。\\n 結局は最大の武器であるミョルニル頼りの組織」", "404000141_16": "「そのミョルニルが世界蛇を打倒できるものではない以上、\\n 我々の勝利は揺るぎません。ですが、あの装者たちは――」", "404000141_17": "「このまま成長を続ければ、世界蛇の虚像をも乗り越え、\\n 世界蛇本体まで力を届かせてしまうかもしれません」", "404000141_18": "「フフ、そう。でも、それがいいの」", "404000141_19": "「どういうことでしょう……?」", "404000141_20": "「世界蛇は大きくなり過ぎたわ。今以上に世界蛇の成長を\\n 促すには、ただ世界を食べさせても効果は薄いの」", "404000141_21": "「人や動物が古来より大きく進化してきた要因、その節目には、\\n 必ずなんらかの脅威がある」", "404000141_22": "「脅威……ですか?」", "404000141_23": "「ええ、そうよ。今の世界蛇にとって脅威と呼べるものは\\n ほとんど存在しない。スクルドでも力不足。だから作るの」", "404000141_24": "「作る……? まさか――」", "404000141_25": "「わたしは世界蛇を――あの子をもっと成長させたいの。\\n 全ての世界、あらゆる可能性をも食らいつくせるように」", "404000141_26": "「そのために必要な贄が彼女たち。だからもっともっと追い詰めて、\\n 大きく強くその糧を実らせないとね――」" }