{ "346001031_0": "「嫌だ……。\\n わたしはまた、全部失うの……?」", "346001031_1": "「仲間も、友達も……大切な人もッ!」", "346001031_2": "(……また戻るんだ、きっと。\\n あの頃に……ううん。もっと深い地獄に……)", "346001031_3": "(コイツは、きっとそのために……、\\n わたしを絶望に叩き落とすために来たんだ……)", "346001031_4": "(いいよ。地獄でもどこでも行ってやる。\\n だけど――)", "346001031_5": "「……ヒビキ」", "346001031_6": "「スターリットッ!?」", "346001031_7": "「お願い……」", "346001031_8": "「……怒りに、絶望に染まりきらないで。\\n あなたの歌から感じた温かさを、失ってほしくない……」", "346001031_9": "「温かさじゃ……歌じゃなんにも護れないッ!\\n だから、わたしはまた全部失ったんだッ!」", "346001031_10": "「大切な、人だったんだ……何よりも。\\n わたしの一番温かい場所……陽だまりのような……」", "346001031_11": "「それを奪った、アイツだけは許せないッ!\\n 未来の仇を討つんだ……もう、それしか――ッ!!」", "346001031_12": "「ヒビキ……あなたに、力をあげる」", "346001031_13": "「力、を……?」", "346001031_14": "「ええ。それを使えば、\\n スサノオを倒すことができるかもしれない」", "346001031_15": "「でもね、それだけじゃない。\\n これは、世界を救うこともできる力なの――」", "346001031_16": "「私には、できなかったけれど――」", "346001031_17": "「ごめんね、ヒビキ。私、怖かったの。\\n 変わることが。あの人に向き合うことが」", "346001031_18": "「――でも、あなたならきっと、正しく使うことができる」", "346001031_19": "「お願い、ヒビキはヒビキ自身を失わないで。\\n 温かさを忘れないで」", "346001031_20": "「……」", "346001031_21": "「……これが、『トランスコイル』」", "346001031_22": "「託したわ……。\\n 私の想いを、希望を……」", "346001031_23": "「スターリット……ッ! あなたまで……ッ!」", "346001031_24": "「……無理だよ……」", "346001031_25": "「全部を奪ったあいつが憎い。\\n この怒りを捨てることなんて、できないよ……」", "346001031_26": "「温かい歌を唄うことなんて、\\n もうできないよ……ッ!」", "346001031_27": "「……わたしは、この力を使う。\\n あいつを、殺すために……ッ!」", "346001031_28": "「エレクライト、スイッチオン――ッ!」", "346001031_29": "「力を感じる……アイツを、殺すための力をッ!」", "346001031_30": "「……この刃は、わたしの怒り、わたしの悲しみ……」", "346001031_31": "「手を伸ばす意味なんて無い、手を開く意味も無い。\\n 閉じた手を固く握って、仇を討ち滅ぼす武器を持つ……」", "346001031_32": "「――これは、お前に絶望を刻み返すための力だッ!」" }