{ "105000541_0": "「アジトを失うって、テレポートの帰還ポイントを\\n 失うだけでなく、雨風を凌ぐ天井と壁も失うってことなのね……」", "105000541_1": "「お姉ちゃん、また1つ賢くなりました」", "105000541_2": "「おかげで次のねぐらが見繕われるまで、まさかの車中泊……、\\n 世間の風は、やっぱウチらに冷たいゼ……」", "105000541_3": "「あの時は仕方なかったであります……」", "105000541_4": "「アルカ・ノイズの反応を追って、S.O.N.G.が急行してくるのは\\n わかっていたであります」", "105000541_5": "「それでも……足がつく証拠や、\\n 起動実験の痕跡をそのまま遺しておくわけには……」", "105000541_6": "「心配ないない。なんとかなるなる。\\n だってエルザちゃん、しっかり者だもの」", "105000541_7": "「うー」", "105000541_8": "「ちょ、どうしたの? ったらどうしたの?\\n エルザちゃんッ!」", "105000541_9": "「――ッ!?」", "105000541_10": "「全員揃ったな」", "105000541_11": "「まずはこれを御覧ください」", "105000541_12": "「これは……アウフヴァッヘン波形?」", "105000541_13": "「それも、あたしらとは別の――ってまさかッ!?」", "105000541_14": "「ああ、奪われた腕輪が起動したとみて、間違いないだろう」", "105000541_15": "「アルカ・ノイズの反応に紛れ、見落としかねないほど微弱な\\n パターンでしたが、かろうじて観測できました」", "105000541_16": "「恐らくは、強固な結界の向こうでの儀式だったはず……。\\n 例えば、バルベルデでのオペラハウスのような……」", "105000541_17": "「――ッ……」", "105000541_18": "「そして、観測されたのはもうひとつ――」", "105000541_19": "「な――何……これ? 音楽?」", "105000541_20": "「だとしたら、デタラメがすぎるデスッ!」", "105000541_21": "(聞いたことのない音の羅列……。\\n だけど、わたしはどこかで――ん?)", "105000541_22": "「音楽の正体については、目下のところ調査中……」", "105000541_23": "「ですが、これらの情報を総合的に判断して、\\n ノーブルレッドに大きな動きがあったと予測します」", "105000541_24": "「やはり、こちらから打って出るべき頃合いだな」", "105000541_25": "「でも、打って出るって――どうやってですかッ!?」", "105000541_26": "「マリアくんッ!」", "105000541_27": "「さっきの戦いで発信機を取り付けさせてもらったのよ」", "105000541_28": "「ノーブルレッド……弱い相手とは戦い慣れていないみたいね」", "105000541_29": "「迎え撃つとは殊勝なッ!」", "105000541_30": "「――行きますッ!」", "105000541_31": "「Balwisyall Nescell gungnir tron――」", "105000541_32": "「うわあああああああッ!」" }