{ "347000711_0": "世界を救う決意", "347000711_1": "「ん……いつの間にか、眠ってしまっていたのか……」", "347000711_2": "「疲れてるなら、もう少し休んでてもいいんだぞ」", "347000711_3": "「ううん、もう十分よ。\\n 奏こそ疲れてない?」", "347000711_4": "「これくらいどうってことないさ」", "347000711_5": "「まあ、あえて言うなら、\\n 美味いもんが食べたいってくらいだな」", "347000711_6": "「……マリアは?」", "347000711_7": "「コレットのところだ。つきっきりで看病してるよ。\\n 別にあいつのせいでもないのにな」", "347000711_8": "「……」", "347000711_9": "「うっ……」", "347000711_10": "「どうしたの?\\n 水が欲しいなら言って、飲ませてあげるから」", "347000711_11": "「あり……が……とう……」", "347000711_12": "「そのありがとう、何回目かしら……。\\n 律儀に言わなくてもいいのよ」", "347000711_13": "「彼女の容態はどうだ?」", "347000711_14": "「……かなり悪いわね。\\n 眠っていても、痛みで目が覚めてしまうみたい」", "347000711_15": "「そうか……。\\n 何かできることがあればいいんだが」", "347000711_16": "「やっぱり、早いとこ解毒薬を手に入れるしかないよな」", "347000711_17": "「しかし、日が暮れてからの行動は危険だ。\\n 明日まで待ったほうが……」", "347000711_18": "「あっ、ここにいたんだね。\\n ちょっと話があるから、集まってくれないかな」", "347000711_19": "「ああ、今行くよ」", "347000711_20": "「ごめんなさい、わたしは……」", "347000711_21": "「そっか、今はコレットの傍を離れないほうがいいよね。\\n じゃあ、ロイドたちも呼んでくるよ」", "347000711_22": "「重要な話のようだな」", "347000711_23": "「……ジーニアス、話したいことってのはなんだ?」", "347000711_24": "「コレットが、あのエターナルソードらしきものを\\n 偽物だって言ってたことについてだよ」", "347000711_25": "「それって、あの部屋の装置みたいなのに、\\n 刺さってたやつのことだよな?」", "347000711_26": "「うん、もしあれがコレットの言う通り偽物なら、\\n ルシエルの叫んでたことも説明がつくんだ」", "347000711_27": "「エターナルソードを寄こせ、か……」", "347000711_28": "「確かにそんなことを言ってたわね」", "347000711_29": "「あれが本物のエターナルソードなら、\\n ルシエルはわざわざそんなことを言うはずがない」", "347000711_30": "「偽物と考えるほうがつじつまが合うな」", "347000711_31": "「それなら、あの妙な装置を壊しても問題ないんですか」", "347000711_32": "「それはわからない……」", "347000711_33": "「ただ、ルシエルの言動から考えると、あの装置が\\n 島の維持に何かしらの影響を与えているのは間違いないと思う」", "347000711_34": "「そういえば、わたしたちが最初に見つけたときも、\\n 慌てていたわね」", "347000711_35": "「……これは可能性の1つだけど」", "347000711_36": "「あの装置を上手く壊せて、この時空間が崩壊したとしたら、\\n ボクたちはこの世界のどこかに飛ばされると思うんだ」", "347000711_37": "「じゃあ、やっぱりこの島はテセアラのどこかにあるのか?」", "347000711_38": "「多分ね。だから、ボクらはそれで助かるかもしれない。\\n ただ、翼さんたちが元の世界に帰れる保証は無いんだ」", "347000711_39": "「最悪、あれを壊すことによって、わたしたちが\\n 元の世界へ帰る手段を失うこともあり得るということか」", "347000711_40": "「…………」", "347000711_41": "「うう……わた……し……」", "347000711_42": "「コレット……無理をしなくていいわよ。\\n 話は後でいくらでも聞いてあげるから」", "347000711_43": "「う……」", "347000711_44": "(小さな手……。この子がこんなに苦しんでいるのに、\\n わたしは手を握り返してあげることしかできないの……?)", "347000711_45": "「わたしはコレットを助けたいわ」", "347000711_46": "「たとえ、どんな結果になろうとも、すべて覚悟の上よッ!」", "347000711_47": "「マリア……」", "347000711_48": "「そういうことなら、あたしも最後まで付き合うぞ」", "347000711_49": "「新しくできた仲間と、\\n 相棒を放っておくわけにはいかないしなッ!」", "347000711_50": "「私が……相棒ですか?」", "347000711_51": "「ああ、もしかして迷惑だったか?」", "347000711_52": "「なんだか……不思議な感じがします。\\n でも、嫌な気分ではないです」", "347000711_53": "「マリア、奏……わたしは……」", "347000711_54": "(確かに、この世界を救う手助けをしたいとは思っている。\\n だが、わたしにはわたしの使命がある。だから……)", "347000711_55": "「いいのよ。今すぐ答えを出す必要は無いわよ」", "347000711_56": "「そんな簡単に決められることじゃないしな」", "347000711_57": "「話はこのあたりにしておこう」", "347000711_58": "「明日はまたあの遺跡へ行かないといけない。\\n だからみんなも、できるだけ身体を休めておいてくれ」" }