{ "345000322_0": "「そこをどきなさい。\\n あなたたちに用は無いのよッ!」", "345000322_1": "「相変わらず、数だけは多い。\\n このまま囲まれてしまう可能性もあるぞ」", "345000322_2": "「これでは暁切歌を探すことができない。\\n ここはまず周囲の敵の排除を優先、その後、一旦身を潜めるぞ」", "345000322_3": "「ええ、そうしましょう」", "345000322_4": "「よし、これで周囲の敵はもういないわね」", "345000322_5": "「では、監視カメラに注意し、身を隠しながら進むぞ」", "345000322_6": "「了解ですッ!」", "345000322_7": "「だいぶ奥まで進んだと思うけど……、\\n それにしても、一体、ここはどういう施設なのかしら」", "345000322_8": "「この設備、これまで訪れた世界でも見たことがない……」", "345000322_9": "「あのアンドロイド兵といい……。\\n もしかしたら、俺の探しているものがここにあるかもしれない」", "345000322_10": "「探しているもの……?」", "345000322_11": "「今、並行世界で起きている異常の原因に繋がる何かだ」", "345000322_12": "「並行世界で起きている異常……?」", "345000322_13": "「まだ詳しくはわからない。情報が無さすぎるからな。\\n だが、それに繋がる何かがここにあるかもしれない」", "345000322_14": "「戦ったアンドロイド兵とここの設備から、\\n 間違いなく、高度な技術が使用されていることがわかる」", "345000322_15": "「さらに、暁切歌を攫ったやつは、俺たちスクルドが知らない、\\n 並行世界を渡る技術を保持していた」", "345000322_16": "「君たちも知っているだろうが、\\n 並行世界を移動する技術は簡単に得られるものではないからな」", "345000322_17": "「……なるほど」", "345000322_18": "「確かに、何かありそうですね」", "345000322_19": "「…………」", "345000322_20": "「……とりあえず、今は、暁切歌を探すことを優先しよう」", "345000322_21": "「そうさせてもらえると助かります」", "345000322_22": "「ん? あれはなんだ……?」", "345000322_23": "「巨大なガラス管の中身は培養液のようなものか……?」", "345000322_24": "「ん? 中に誰か人が……なッ!?\\n マリア、これはッ!」", "345000322_25": "「切歌ッ!?」", "345000322_26": "「先ほど戦った暁切歌は、並行世界の人物かもしれないと言ったな。\\n では、今、目の前にいる暁切歌はどうだ?」", "345000322_27": "「……この状態では、なんとも言えません。\\n ウェルに何かされている可能性もありますから」", "345000322_28": "「確かに、ウェル博士に何かされていれば、判断は難しいかもしれない。\\n 先ほど戦った暁と、同一人物なのかも含めてな」", "345000322_29": "「考えるのはあと、\\n 今はとにかく、切歌を助けましょう」", "345000322_30": "「ああ」", "345000322_31": "「――だが、\\n 事はそう簡単には運ばなさそうだぞ」", "345000322_32": "「また出てきたッ!\\n どうしても、わたしの邪魔をするというのッ!」", "345000322_33": "「やれやれ、せっかく見逃してあげたというのに……。\\n しょうがない人たちですね」", "345000322_34": "「ウェルッ! あなた――」", "345000322_35": "「その培養槽に近づくのはやめてもらえませんか。\\n 場合によっては、本気で排除することになりますよ」", "345000322_36": "「培養槽って……、\\n あなた、切歌に何をしたのッ!?」", "345000322_37": "「どうやら勘違いしているようですね。\\n 彼女は僕たちの――」", "345000322_38": "「もう何を言っても無駄デス。\\n ここまで来られたら本気で排除するしかないデスッ!」", "345000322_39": "「――ッ!?」", "345000322_40": "「き、切歌が2人――ッ!?」" }