{ "343000441_0": "「事件の犯人が死亡してしまっては、もうここに用はない。\\n 完全に崩れる前に戻るぞ」", "343000441_1": "「はい、マスター」", "343000441_2": "「……」", "343000441_3": "「その自動人形は完全に機能停止した。\\n あれだけ無茶をしたんだ、当然といえば当然だがな」", "343000441_4": "「ええ、まあそうなんですけどね……」", "343000441_5": "(やはり、あの自動人形が気になっているようだな。\\n こいつらがこんな顔をするとは)", "343000441_6": "「…………」", "343000441_7": "「……お前たち、その自動人形を運べるか?」", "343000441_8": "「運べるかとは、どういうことでしょう?」", "343000441_9": "「あの錬金術師は死んでしまったからな。\\n ただ、何も得られずに帰るのも気に食わん」", "343000441_10": "「あれの自動人形なら、何か有益な情報を持っているだろう。\\n 連れて行くだけの価値はある」", "343000441_11": "「いいんですかね。\\n 彼女はガリィたちを攻撃してきた敵ですけど」", "343000441_12": "「命令をされたから攻撃してきただけだ。\\n だって、自動人形なのだからな――」", "343000441_13": "「命令だ、地上に戻るまで落とさずに連れてこい」", "343000441_14": "「わかったゾ、マスターッ!」", "343000441_15": "「メロウ、メロウッ! 一緒に行くゾッ!」", "343000441_16": "「……」", "343000441_17": "「機能は停止してんだから、答えらんないだろ」", "343000441_18": "「ったく、あんたの手で持つと、\\n 余計に壊れるんだから、触るな」", "343000441_19": "「うぅ、動けないようにやったけど、やりすぎちゃったゾ……」", "343000441_20": "「マスターを救うために必要なことでしたわ。\\n それに命令でもありましたから」", "343000441_21": "「そして今は彼女を救えという命令を受けている。\\n ならば、全力でその意に応えてみせよう」", "343000441_22": "「まあ、うちのマスターは優秀ですからねー。\\n これくらいならちゃちゃっと直しちゃうんじゃないですか」", "343000441_23": "「だと嬉しいゾッ!\\n また、メロウと話したいんだゾッ!」", "343000441_24": "「連れ出すのにどれだけ時間がかかっているんだ。\\n さっさとここを出るぞ」", "343000441_25": "「了解です、マスター」", "343000441_26": "「降ってくる邪魔な瓦礫はオレが蹴散らす。\\n お前たちは後ろからついて来い」", "343000441_27": "「まったく、変な事件に巻き込まれてしまったな……」", "343000441_28": "「なあ、ガリィ……」", "343000441_29": "「なんですか、彼女を持ちたいってお願いなら\\n 却下ですからねー」", "343000441_30": "「やっぱり、自動人形はマスターの道具なのカ?」", "343000441_31": "「……まあ、少なくともあの錬金術師とメロウの関係は\\n それ以上のものじゃなかったんじゃねーの」", "343000441_32": "「それでいいんですよ。マスターのお役に立てるなら……」", "343000441_33": "「ああ、私たちはマスターのために\\n 存在している人形だからな」", "343000441_34": "「そっか……」" }