{ "343000311_0": "道具として在ること", "343000311_1": "「メロウ、マスター、最初ノ自動人形」", "343000311_2": "「あたしたちと同じなんだゾッ!」", "343000311_3": "「同ジ……? マスター、オレムッ!?」", "343000311_4": "「違いますよー。\\n うちのマスターは荒っぽいけど最強のマスターですから」", "343000311_5": "「ヨカッタ。オレム、メロウダケ、マスター」", "343000311_6": "「マスターのことが好きなんだな」", "343000311_7": "「マスター、メロウ、似セタ。マスター、海スキ。\\n メロウ、マーメイドッ!」", "343000311_8": "「海が好きだから人魚ということはわかりましたが、\\n 似せたというのは?」", "343000311_9": "「メロウ、マスター、若イ時」", "343000311_10": "「ははーん、なるほど。\\n あの錬金術師の若い頃に似せたってことでは」", "343000311_11": "「正解」", "343000311_12": "「どこのマスターも似たようなことを考えるものですね」", "343000311_13": "「ミンナ、一緒?」", "343000311_14": "「ガリィたちはマスターの精神構造の一部をベースに\\n デザインされてますからねー」", "343000311_15": "「広い意味では、マスターを\\n もとに造られたと言ってもいいかもしれない」", "343000311_16": "「メロウ、1人ダッタ。\\n 友達、嬉シイ」", "343000311_17": "「私たちが……」", "343000311_18": "「友達か?」", "343000311_19": "「いや、敵じゃないですか」", "343000311_20": "「ミンナ、人形。メロウ、同ジ。\\n 似テル、友達ッ!」", "343000311_21": "「いいゾ、友達だゾッ!」", "343000311_22": "「自動人形同士だからって、\\n 友達ってのはどうなんですかね」", "343000311_23": "「友達、ダメ?」", "343000311_24": "「ダメとは言いませんけど。\\n なんといいますか、変な感じがして」", "343000311_25": "「フフッ、友達になりたいと言われて\\n 恥ずかしがっているのかしら?」", "343000311_26": "「何を見当違いなこと言ってるんですか。\\n ガリィちゃんがそんなこと思うわけないじゃないですかー?」", "343000311_27": "「……」", "343000311_28": "「はいはい、友達でいいんじゃないですか。\\n 別に困ることもないですしねー」", "343000311_29": "「ミンナ、メロウ、友達。\\n 沢山、オ客様、マスター、歓迎スル」", "343000311_30": "「人が来るとあなたのマスターは喜ぶのですか?」", "343000311_31": "「ワカラナイ。マスター、1人。\\n 人、沢山来ル、楽シイ」", "343000311_32": "「派手な出迎えが待っているのか?」", "343000311_33": "「となるとこちらは、\\n より警戒しないといけませんわね」", "343000311_34": "「なあ、そのオレムとかいう錬金術師は\\n 自動人形ばっかり造ってたのカ?」", "343000311_35": "「メロウ、ダケ。\\n 今、色ンナ錬金術」", "343000311_36": "「アルカ・ノイズ、沢山」", "343000311_37": "「どおりでぽんぽん湧いてきたわけですね」", "343000311_38": "「多岐にわたっての研究をしてきたんだな」", "343000311_39": "「正直見くびっていましたけど、\\n 力のある錬金術師ということかしら」", "343000311_40": "「どうせどっかでレシピ見つけたんでしょう」", "343000311_41": "「デモ、オレム、失敗、多イ。\\n メロウ、イツモ片付ケル」", "343000311_42": "「マスター、作ッタゴ飯、失敗。\\n メロウ、投ゲル」", "343000311_43": "「投げるって、メロウにカッ!?」", "343000311_44": "「自動人形、片付ケル。メロウノ役目」", "343000311_45": "「私たちのマスターは\\n 何かを投げつけるなんてことしませんわ」", "343000311_46": "「冷たいのは日常茶飯事ですけど、\\n さすがにそんなことはないですね」", "343000311_47": "「メロウ、マスター、ダケ、自動人形。\\n 役ニ立テル、嬉シイ」", "343000311_48": "「嬉しい、ね……。\\n そういうものなんですかね、自動人形は」", "343000311_49": "「ソレガ自動人形、使命。\\n マスター、イツモ言ウ」", "343000311_50": "「使命……」", "343000311_51": "「ちょっと待て。\\n よく見れば体中が傷だらけではないか」", "343000311_52": "「これは、何かをぶつけられてできる傷ではありませんわ。\\n どう考えても……」", "343000311_53": "「マスターの役に立てたら嬉しいけど、\\n 何されてもイイってわけじゃないんだゾッ!」", "343000311_54": "「自動人形、痛ミ、大丈夫。\\n 少シ、体動キニククナル、ダケ」", "343000311_55": "「話を聞く限り、あの錬金術師の自動人形のようですが、\\n あまり大切にされていないようですわ」", "343000311_56": "「何故だか、地味に腹が立つな……」", "343000311_57": "「マスター、メロウ、必要ダカラ。\\n 殴ル、ソレモ必要。メロウ、役ニ立ツ」", "343000311_58": "「それ、ただの八つ当たりじゃないですか。\\n そんなことされてよく我慢ができますね」", "343000311_59": "「メロウ、役ニ立ツ、嬉シイ。\\n 痛イ、平気。マスター、落チ着ク」", "343000311_60": "「マスターが違うだけで、こうも待遇が違うのか。\\n お互いにそれで問題無いならいいのだが」", "343000311_61": "「ミンナ、マスター、違ウ?」", "343000311_62": "「そうだゾッ!\\n あたしたちのマスターは優しいんだゾッ!」", "343000311_63": "「マスター、優シイ?」" }