{ "337000511_0": "訣戦、少女兵装", "337000511_1": "「シンフォギアと訣戦の刻って――\\n どういう事なのッ!? おじいちゃんッ!!」", "337000511_2": "「……これは、預けていたドラゴンブレス――?」", "337000511_3": "「わたしたちがメックヴァラヌスを纏うための……」", "337000511_4": "「新たな情報を元に調整を施し、\\n メックヴァラヌスをさらに完成へと近づけたのだ」", "337000511_5": "「新たな、情報……?」", "337000511_6": "「シンフォギアとメックヴァラヌスに共通する、\\n 歌を力へと転換するFG式コンバートシステム――」", "337000511_7": "「この聖歌受令機能を拡張し、\\n 力となる歌を竜姫の胸に求めるのではなく、他者に――」", "337000511_8": "「シンフォギアから得られるように改良したのだ」", "337000511_9": "(わたしたちからではなく……\\n シンフォギアからの歌を利用するって事……?)", "337000511_10": "(大型のアングィスマリシアスにも同様の……\\n ですが、それをメックヴァラヌスに応用するなんて発想は……)", "337000511_11": "(きっとそれが――、新たな情報……)", "337000511_12": "「さあ、新たなるメックヴァラヌスを――\\n ブレスを腕に取り付けてみるがいい」", "337000511_13": "「では、外してみたまえ」", "337000511_14": "「付けたり外したりって――\\n 何か意味あるの?」", "337000511_15": "「付けたブレスが外れるかどうか、\\n 試してみれば、すべてはわかる」", "337000511_16": "「……あ、あれ?」", "337000511_17": "「――外れませんわッ!」", "337000511_18": "「急拵えではあったが、うまく作動しておるようだな」", "337000511_19": "「機密を狙う夷狄の手にメックヴァラヌスが簡単に渡らぬよう、\\n 少々セキュリティを強く施してみたのだ」", "337000511_20": "「ど、どういう事ッ!?」", "337000511_21": "「ブレスを無理に外そうとすれば、\\n あるいは、竜姫が叛意を見せればこちらからの操作にて――」", "337000511_22": "「内側より致死性の竜毒が打ち込まれ、\\n どこまでも静かに謀反人を殺処分せしめる」", "337000511_23": "「――ッ!?」", "337000511_24": "「獰猛な犬を飼うには首輪が必要なのだ。\\n それが竜であれば尚更であろう……なんら不思議ではない」", "337000511_25": "「…………」", "337000511_26": "「この施設のどこにおろうと、\\n 常に竜姫たちの会話は捕捉しておる儂である」", "337000511_27": "「まさかさっきの……\\n メディカルルームでの会話を聞かれて……」", "337000511_28": "「そんな変態――\\n 代行だって、そこまでは……」", "337000511_29": "「…………」", "337000511_30": "「いいですわ、やりましょう」", "337000511_31": "「――テラジッ!?」", "337000511_32": "「あんた、自分で何言ってるのか、\\n わかってるのッ!?」", "337000511_33": "「もちろんわかっていますわ」", "337000511_34": "「メックヴァラヌスとシンフォギア――\\n 戦って、どちらが強いのかを明らかにすれば良いのですよね?」", "337000511_35": "「……そうだ」", "337000511_36": "「だとすれば言葉ではなく、行動で示してみせます」", "337000511_37": "「……なんで、どうして……」", "337000511_38": "「『どうして』ですってッ!?」", "337000511_39": "「さっき弓美さんも言ってたじゃないですか。\\n 『あたしは、アニメみたいなヒーローではいられない』って」", "337000511_40": "「――ッ!?」", "337000511_41": "「ヒーローでいられないのなら、あとはもう――\\n 力を持つ者の行く末は、こうなっていくしかありません」", "337000511_42": "「…………」", "337000511_43": "「…………」", "337000511_44": "「その積極性……何を望んでいる?」", "337000511_45": "「竜姫が装者を斃した暁には――\\n 危険なドラゴンブレスの解除をお願いいたします」", "337000511_46": "「…………」", "337000511_47": "「もちろんブレスの解除だけではありません。\\n 叶えたい望みなんて指で折れないくらいには……」", "337000511_48": "「いいだろう。\\n まずは手始めにメックヴァラヌスの優位性を――」", "337000511_49": "「ブレスの解除以外の望みは、\\n ひとつひとつこちらの要求に応えてからだ」", "337000511_50": "「ありがとうございますッ! おじいさんッ!!\\n ――ですが……」", "337000511_51": "「戦うにしても、カメラの眼から逃れたシンフォギア……\\n せめてどこにいるのかわからないと……」", "337000511_52": "「ならば、こうしてくれようか」", "337000511_53": "「――爆発ッ!?」", "337000511_54": "「あの区画に、怪物が放たれてッ!」", "337000511_55": "「居場所がわからずとも、おびき出せばいいだけ。\\n 打ち捨てられた廃工場であっても、狼煙くらいはあげられよう」", "337000511_56": "「――ッ……」", "337000511_57": "「怪物の攻撃目標は、\\n わたしたちではなく、この工場施設――ッ!?」", "337000511_58": "「おそらく、身を潜めたあたしらを燻るためにッ!!」", "337000511_59": "「面白くはないが、敵の思惑に乗らざるをえまいッ!\\n 散開しつつ、被害が街に及ばないよう食い止めるんだッ!!」" }