{
"336000321_0": "「はい。どうぞ」",
"336000321_1": "「あ、ばっちり似合ってる」",
"336000321_2": "「確か、あちらの世界でも同じデザインの制服だったとか……。\\n お似合いなのは、そのせいだからでしょうか?」",
"336000321_3": "「どう? 眠れた?\\n 深夜アニメを見てたりで、寝不足だったりしていない?」",
"336000321_4": "「おかげさまで、朝までグッスリさせてもらった」",
"336000321_5": "「申し訳ありません。風鳴さんの制服――\\n 身長を合わせると、特待生用のデザインしかご用意できなくて」",
"336000321_6": "「いや、これでいい。\\n これだからこそ、あの頃のわたしに戻れる気がする」",
"336000321_7": "「授業は明日からなんだって。\\n だから今日は、学院内の案内とか……どうかな?」",
"336000321_8": "「ホントッ!? ありがとうッ!」",
"336000321_9": "「至れり尽くせりだな」",
"336000321_10": "「なんのなんの。\\n これもまた、あたしの務めなんだからッ!」",
"336000321_11": "「……?」",
"336000321_12": "「会長、こんにちは」",
"336000321_13": "「オ――スッ!\\n もうすぐ新人戦でしょ。頑張ってッ!」",
"336000321_14": "「わあ、覚えていてくれたんですね」",
"336000321_15": "「もちろんッ!\\n 応援してるから、全力で戦ってきなよッ!」",
"336000321_16": "「はいッ! 頑張ってきますッ!」",
"336000321_17": "「ごきげんよう、会長」",
"336000321_18": "「ごきげんようッ!\\n ところであなた、タイが曲がっていてよッ!」",
"336000321_19": "「え? あ? すぐに直してきます……。\\n はずかしい……」",
"336000321_20": "「あ、会長さんたちだ。\\n もしかして転校生の案内?」",
"336000321_21": "「まあ。そんなところかも」",
"336000321_22": "「よろしくねッ! 部活はもう決めた?」",
"336000321_23": "「え? えーっと……」",
"336000321_24": "「ストップッ! この子たちは当分生徒会預かりになるから、\\n それはなし。部員増やしたい気持ちはわかるけど、今はダメよ」",
"336000321_25": "「残念。それじゃ、生徒会に飽きたら声をかけてね?\\n 料理部……、明日もしれない存続状況なんだよ……」",
"336000321_26": "「え? あの、わたし……お料理作るよりも、\\n 食べる方が得意なんだけど……それでもいいかな?」",
"336000321_27": "「さっきから気になってたんだけど、会長って……?」",
"336000321_28": "「何を隠そうあたしたち、生徒会の役員やってんだ」",
"336000321_29": "「わたしが副会長で、テラジは会計、\\n そいでもってユミが、生徒会長なんだよ」",
"336000321_30": "(……ユミ……?)",
"336000321_31": "「何よ、そんなに驚くこと?\\n やっぱ生徒会長たるもの、白ランとか木刀なきゃダメ?」",
"336000321_32": "「いや、すごいなーって思って。\\n それに、生徒のみんなからすごく人気があるんだね」",
"336000321_33": "「ユミは愛されキャラだからね」",
"336000321_34": "「全校集会のスピーチで、\\n アニメの話しかしない困り者でもありますが……」",
"336000321_35": "「いいじゃないッ!\\n あたし、大切なことは全部アニメから教わったんだからッ!」",
"336000321_36": "(違うけれど、おんなじだ……)",
"336000321_37": "(板場さんはアニメが好きで、2人と友達で……。\\n 3人を疑えない……、疑いたくないよ……)",
"336000321_38": "「ここがあたしたちの教室よ。見ての通りの2年生。\\n ところであんたたちのホントの学年って……?」",
"336000321_39": "「あ、わたしはみんなと同じッ!」",
"336000321_40": "「おふたりさんも?」",
"336000321_41": "「いや、あたしは1つ上だ」",
"336000321_42": "「わたしは更に1つ上になるのだが……」",
"336000321_43": "「どうしよう。\\n 学年が別れるといろいろ大変よね……」",
"336000321_44": "「提案ッ! みんな同じクラスというのはいかがでしょう」",
"336000321_45": "「大雑把であるけれども、やっぱそうなるよね」",
"336000321_46": "「まあ、下の年齢に合わせておけば、\\n 授業とかでもついてく分には問題ないしな……」",
"336000321_47": "「ですよね、先輩」",
"336000321_48": "「……」",
"336000321_49": "「先輩ッ、ものすごい脂汗だぞッ!\\n こっちの世界の水が合わなかったのかッ!?」",
"336000321_50": "「最後にここが――生徒会室よ」",
"336000321_51": "「まあ、竜姫としての活動が優先だから、\\n いつもいるってわけじゃないけど……」",
"336000321_52": "「あ、会長ッ!\\n 資料の整理、終わりましたッ!」",
"336000321_53": "「細かい分類までばっちりです」",
"336000321_54": "「他に何かお手伝いすることはありますか?」",
"336000321_55": "「とりあえずは無いかな?\\n 3人とも、いつもありがとう」",
"336000321_56": "「いえ、忙しい会長たちのためですから」",
"336000321_57": "「そうそうッ!」",
"336000321_58": "「先輩、そちらの方々は?」",
"336000321_59": "「転校生。学院内を案内していたんだ」",
"336000321_60": "「よろしくお願いしますッ!\\n ところで3人も生徒会なの?」",
"336000321_61": "「いえ、わたしたちはたまに手伝っているだけで」",
"336000321_62": "「アレに忙しい先輩たちですからね」",
"336000321_63": "「アレって――」",
"336000321_64": "「えッ!?」",
"336000321_65": "「――警報ッ! ノイズよッ!\\n つまりは、ヒーローの出番ッ!」",
"336000321_66": "「参りましょうッ!」",
"336000321_67": "「急がないとッ!」",
"336000321_68": "「みんな、学院のことは任せたわッ!」",
"336000321_69": "「竜姫のおつとめ、頑張ってくださいッ!」",
"336000321_70": "「オツトメッ!?」",
"336000321_71": "「とにかく先輩、あたしらも行こうッ!」",
"336000321_72": "「みんな見てッ! 竜姫が出撃するよッ!」",
"336000321_73": "「がんばってーッ!」",
"336000321_74": "「ノイズなんて全部やっつけてくださいッ!」",
"336000321_75": "「みんな、ありがとッ! 行ってくるわねッ!」",
"336000321_76": "「驚いた。竜姫の存在が\\n 学院内に周知の事実だったとは……」",
"336000321_77": "「あれ? 言ってなかったっけ?」",
"336000321_78": "「ヒーローは応援されてなんぼでしょッ!」",
"336000321_79": "「その分、重い責任を担っていますから」",
"336000321_80": "「なんかいいね。みんなの応援があるって」",
"336000321_81": "「あたし的には、やりづらそうな気もするけどな」",
"336000321_82": "「遅いではないかッ!\\n 充実した学生生活を満喫している場合かねッ!」",
"336000321_83": "「お小言は後でお願い。\\n それよりも状況をッ!」",
"336000321_84": "「場所は市街区画46ポイント。\\n ここから西に10キロの地点になります」",
"336000321_85": "「どうせ僕の小言など聞く君たちではあるまいッ!\\n せいぜい暴れて、僕の評価を上げてくるがいいッ!」",
"336000321_86": "「竜姫のみなさん、御武運を」",
"336000321_87": "「いつもながらに腹の立つ、代行の一言」",
"336000321_88": "「だけど、その怒りをバネに\\n ほんのちょっと頑張れるとしたら――」",
"336000321_89": "「あの憎まれ口も許せるかな?」",
"336000321_90": "「どっちでもいいよ。\\n それより急ごうッ、ヒーローの時間だッ!」",
"336000321_91": "「……ねえ……。\\n 一緒に戦ってくれるんだよね?」",
"336000321_92": "「もちろんッ、そのつもりだよッ!」",
"336000321_93": "「だったら、すぐそばで戦い方を見せてほしい」",
"336000321_94": "「え?」",
"336000321_95": "「いつか1人でも戦い抜ける、本物のヒーローになるために……。\\n 見上げた空を、目指すためにッ!」",
"336000321_96": "「――だからッ、あたしはッ!!」",
"336000321_97": "「わたしたちはッ!」",
"336000321_98": "「――メックヴァラヌス・テイクオフッ!」"
}