{ "334000232_0": "「よし、ここまで来れば!」", "334000232_1": "「ダメ、エレンが!」", "334000232_2": "「エレンが巨人に引き倒されて!?」", "334000232_3": "「あれでは身動きが取れないぞッ!」", "334000232_4": "「チッ、引きつけ過ぎだ」", "334000232_5": "「離せえええ――!」", "334000232_6": "「くう……! 数が多い。このままじゃ……」", "334000232_7": "「はあああッ!」", "334000232_8": "「エレンを囲んでいた巨人が吹き飛んだ!?\\n なんて威力なんだ!」", "334000232_9": "「でも、大きすぎて助け出せないよッ!\\n どうすれば――」", "334000232_10": "「また後先考えずに突っ走りやがってッ!」", "334000232_11": "「私に任せて!」", "334000232_12": "「味方を斬りやがったッ!?」", "334000232_13": "「いや、中から彼が出てくる」", "334000232_14": "「回収完了だ、撤退するぞ!」", "334000232_15": "「エレンの意識は戻ったか?」", "334000232_16": "「いえ、まだ……」", "334000232_17": "「巨人が大量にいるあの平野を抜けるのは難しいですね。\\n 遠回りになっても、他の道を探したほうがいいかもしれません」", "334000232_18": "「ああ。だがいずれにせよ、\\n こいつがこんな状態じゃ一度退却するしかねえな」", "334000232_19": "「戻ったら、さっきのはどういうことか説明しろよな」", "334000232_20": "「うん。説明できることもあんまりないんだけどね」", "334000232_21": "「ん……?」", "334000232_22": "「どうしたの?」", "334000232_23": "「今、声が聞こえたような……」", "334000232_24": "「だれか、助けてくれーッ!」", "334000232_25": "「生存者だッ!」", "334000232_26": "「巨人に追われているッ!」", "334000232_27": "「助けますッ!」", "334000232_28": "「はあ――!」", "334000232_29": "「きょ、巨人を倒したッ!?\\n 私は助かったのか……」", "334000232_30": "「もう大丈夫です。\\n あなたの他に無事な人はいますか?」", "334000232_31": "「いや、私以外は、みな巨人に……」", "334000232_32": "「そうですか……。では、わたしたちと一緒に\\n S.O.N.G.本部に避難しましょう」", "334000232_33": "「S.O.N.G.ッ!? お前たちは、まさか……」", "334000232_34": "「S.O.N.G.のことを知ってるんですか?\\n そう言えばあなたの服装どこかで見たことがあるような……」", "334000232_35": "「い、いやッ!\\n わ、私は怪しい錬金術師などでは決して……」", "334000232_36": "「……自分からバラしてるぞ。島民の証言にあった怪しい人物\\n って、こいつのことなんじゃないか?」", "334000232_37": "「そのようだな。本部に来てもらおう」", "334000232_38": "「お前たちが連れ帰った男だが、\\n 読み通り、錬金術師だった」", "334000232_39": "「まあ、自分でそう言ってたからな」", "334000232_40": "「この事件の原因を知っている可能性が高いだろう」", "334000232_41": "「今は黙り込んでいるが、俺が今から直々に聴取をする。\\n その間、お前たちは休んでおけ」", "334000232_42": "「わかりました」", "334000232_43": "「目を覚ましそう?」", "334000232_44": "「ううん、まだ眠ってる。\\n ダメージの具合から言って、もう少しかかりそうかな」", "334000232_45": "「そっか……」", "334000232_46": "「まだ言ってなかった。\\n エレンを助けてくれて、ありがとう」", "334000232_47": "「僕からも、お礼を言わせて。\\n キミがいなかったら危なかったよ」", "334000232_48": "「どういたしましてッ!\\n でも、わたしもいっぱい助けてもらったしお互い様だよ」", "334000232_49": "「何か裏があるかと疑っていたが……」", "334000232_50": "「それじゃあ、わたしたちのこと信じてくれ――」", "334000232_51": "「裏も表も無い、ただのお人好しのようだ」", "334000232_52": "「あたしたちを一緒くたにするな。\\n お人好しバカはこいつだけだぞッ!」", "334000232_53": "「またまた、謙遜しちゃって」", "334000232_54": "「オイ! それよりも、錬金術師ってのは何者だ」", "334000232_55": "「ああ、教えてやる。その代わり、あいつが巨人になった\\n あれについて教えてくれ。まさか、お前ら全員ああなのか?」", "334000232_56": "「エレンだけだよ。それについては、僕から説明する」", "334000232_57": "(目的は達成できなかったが、どうやら、今回の出撃で\\n 少しは打ち解けられたようだな)" }