{ "334000111_0": "巨人島", "334000111_1": "「新しい任務、ですか?」", "334000111_2": "「ああ。とある島で奇妙な事件が起きていると連絡が入った。\\n このまま本部潜水艦で現場に向かう」", "334000111_3": "「海外での任務を終えてやっと帰る途中だったのに、\\n また事件発生か」", "334000111_4": "「本土に戻る時間は無いからな。引き続きお前たち3人に\\n 任務に当たってもらい、残る装者は本土に待機という形になる」", "334000111_5": "「急行しなければならないほど\\n 切羽詰まった状況ということですね」", "334000111_6": "「そういうことだ。\\n まずはこの写真を見てほしい」", "334000111_7": "「『巨人島』……日本領内の沖合に浮かぶ、小さな有人島だ」", "334000111_8": "「巨人島って、変わった名前ですね」", "334000111_9": "「正式名称は別にあるのですが、\\n 島民は皆そのように呼称しています」", "334000111_10": "「その昔、地中から正体不明の巨大な骨が見つかって以来、\\n 巨人伝説が根付いているということです」", "334000111_11": "「それで巨人島か……。\\n その巨大な骨というのは今どうなっているんだ?」", "334000111_12": "「『デイダラボッチの骨』として島民に恐れられ、\\n 島内の神社に祀られているそうです」", "334000111_13": "「おいおいまさか、それが聖遺物だったのか?」", "334000111_14": "「以前、日本政府がその可能性を危惧し、秘密裏に調査に\\n 動いています。しかし、それはただの骨の化石だったそうです」", "334000111_15": "「詳細は判明しませんでしたが、恐らく今は絶滅した\\n 恐竜か大型の哺乳類のものだろうと結論付けられています」", "334000111_16": "「……そのはずだったのだがな。今回の事件と、その\\n デイダラボッチの骨が無関係とは思えない」", "334000111_17": "「事件の始まりは、その島が強力な\\n 電波障害に覆われたことだった」", "334000111_18": "「結果、島内との連絡や航空機による接近が\\n 一切できなくなってしまったんだ」", "334000111_19": "「その原因を調査している最中、巨人島から近くの島へ\\n 1人の島民が流れ着いた」", "334000111_20": "「流れ着いたって……」", "334000111_21": "「ひどく傷つき、怯えた状態でな」", "334000111_22": "「その島民いわく、島に突如として巨人が現れ、\\n 島民たちを襲った、ということだ」", "334000111_23": "「巨人が……ッ!?」", "334000111_24": "「どういうことだよッ!?」", "334000111_25": "「……つまり、今回のわたしたちの任務は……」", "334000111_26": "「ああ、島内の生存者の探索、そして事件の\\n 原因の調査が今回の任務ということになる」", "334000111_27": "「しかし島民の話が真実なら、島内には巨人が待ち構えている」", "334000111_28": "「巨人……『人』ってことは、言葉は通じるんでしょうか」", "334000111_29": "「可能性はありますが、救助された島民からは\\n 詳しい情報は得られていません」", "334000111_30": "「巨人がどういった存在なのかは全くわかっていない状態です」", "334000111_31": "「また、これも島民からの情報なのだが、事件が起きる\\n 数日前から、島内で見慣れない人物を見かけていたそうだ」", "334000111_32": "「それが何者かは不明だが、事件への関与があると見て間違い\\n 無いだろう。十分に注意して任務に当たってくれ」", "334000111_33": "「了解ッ!」" }