{ "328000632_0": "「はああ――ッ!!」", "328000632_1": "「ぬお――ッ!?」", "328000632_2": "「ガハッ!?」", "328000632_3": "(心なしか、これまでの忍びより手強かったような……?)", "328000632_4": "「ガガ……ギ……」", "328000632_5": "「意識はありますね?\\n あなたにはオロチの目的を吐いてもらいます」", "328000632_6": "「待ってください。この者たち、何やら違和感が……」", "328000632_7": "「違和感?」", "328000632_8": "「いえ……確かに、様子がおかしい。\\n 不自然な気配、それに呼吸も――?」", "328000632_9": "「ギ……ガガ……ギ……」", "328000632_10": "「これは……ッ!\\n 精巧にできていますが、人形です」", "328000632_11": "「まさか、錬金術で造られた人形――?」", "328000632_12": "「ギ、ギギギギ……」", "328000632_13": "「継戦能力喪失ト認ム。情報秘匿条項ニ基ヅキ、\\n 最終処理(ターミナル)モード起動――」", "328000632_14": "「最終処理? まさか――」", "328000632_15": "「いけない、翼さんッ!」", "328000632_16": "「はッ? しまった――」", "328000632_17": "「危ないッ!!」", "328000632_18": "「ふう……なんとか間に合いました」", "328000632_19": "「あ、ありがとうございます。\\n 油断していました」", "328000632_20": "「いえ、僕の方こそ助けられてばかりです」", "328000632_21": "(そんなことはない……。\\n わたしの方がどう考えても、助けられている……)", "328000632_22": "「今は、この窮地を抜けることだけ考えましょう」", "328000632_23": "「はい……」", "328000632_24": "(この笑顔……やはり、緒川さんは、緒川さんなんだな……)", "328000632_25": "「それにしても、これは、一体……」", "328000632_26": "「まさか里の忍びの中に、こんな者たちが紛れているとは……」", "328000632_27": "「恐らくは、自動人形ではないかと」", "328000632_28": "「知っているんですか?」", "328000632_29": "「はい。錬金術の力で作られた、自律行動する傀儡人形です」", "328000632_30": "「以前、わたしたちが敵対した錬金術師たちが用いていました」", "328000632_31": "「そう考えれば、アルカ・ノイズの出所にも説明がつきます」", "328000632_32": "「錬金術師? そんな者たちが、オロチの背後に……」", "328000632_33": "(いや、もしかして……)", "328000632_34": "(オロチ……その様な者と手を組んでまで、草薙を……?)", "328000632_35": "「やはり残った忍びどもは、出涸らしの滓ばかりよな」", "328000632_36": "「残った忍び……? どういう意味ですか?」", "328000632_37": "「フフ……さあな」", "328000632_38": "(ひどい胸騒ぎがする……)", "328000632_39": "「緒川さん? どうかしましたか?」", "328000632_40": "「いえ。なんでもありません」", "328000632_41": "「それより追手が集まる前に、ここを離れましょう」", "328000632_42": "「はい」" }