{ "326001512_0": "「この光で、暗闇を――」", "326001512_1": "「――全て払ってやるッ!!」", "326001512_2": "「この手に繋がれた絆の光。\\n みんながわたしに与えてくれた、太陽よりも熱いこの拳を――」", "326001512_3": "「受けてみろおおおおッ!!」", "326001512_4": "「瘴気が完全に消えた……」", "326001512_5": "「今度こそ、終わったわね」", "326001512_6": "「……はい」", "326001512_7": "「それじゃ、帰りましょうか。\\n みんなが首を長くして待っているわ」", "326001512_8": "「ああ、そうだね。\\n 戻ったら、みんなで飯でも食べよう」", "326001512_9": "「ええ、そうしましょう」", "326001512_10": "「…………」", "326001512_11": "「……ん」", "326001512_12": "「……ああ、戻ってきたのか」", "326001512_13": "「2人とも、立花は……?」", "326001512_14": "「響はッ! 響はどうなんですかッ!」", "326001512_15": "「大丈夫、原因は見つけて排除したわ」", "326001512_16": "「ああ、みんなのおかげだよ」", "326001512_17": "「さっすがマリアと奏さんデスッ!」", "326001512_18": "「よかった……」", "326001512_19": "「姉さん、お疲れさま」", "326001512_20": "「フフ、ありがとうセレナ」", "326001512_21": "「……なあ、でもそれならどうして、\\n こいつは目覚めないんだ……?」", "326001512_22": "「えッ!? そんな――」", "326001512_23": "「あたしたちは確かに――」", "326001512_24": "「仮想脳領域は、あくまで響さんの脳領域を模した仮想のもの。\\n 本物の脳領域ではありません……」", "326001512_25": "「だから、本当の脳領域でも同じ原因を取り除かないと、\\n 響さんは……」", "326001512_26": "「なんだってッ!?」", "326001512_27": "「くッ! そういえばそうだったわね。\\n 完全に失念していたわ……」", "326001512_28": "「エルフナイン、わたしを、\\n 直接この子の脳領域に繋いで頂戴ッ!」", "326001512_29": "「そんなことをしたら、互いの精神が混濁して、\\n 2人とも廃人となってしまいます」", "326001512_30": "「でも、このままじゃッ!」", "326001512_31": "「その異物について教えてください。\\n 響さんを助ける手掛かりになるかも――」", "326001512_32": "「アレは、瘴気と悪意の塊だったとしか……」", "326001512_33": "「ああ。あいつの頭の奥深くに巣くっていて、\\n その瘴気であいつが黒く染まりそうになって――」", "326001512_34": "「…………」", "326001512_35": "「エルフナイン……?」", "326001512_36": "「……ごめんなさい、それだけではなんとも……」", "326001512_37": "「そんなッ!?」", "326001512_38": "「ここまでやって……全部意味がなかったっていうのかッ!!」", "326001512_39": "「瘴気を発しているその悪意の塊というのが、一体何か、\\n それがわからないことには……」", "326001512_40": "「ちっくしょうッ! なんとかならないのかよッ!」", "326001512_41": "「何か……何か方法はないのかッ!\\n このままでは立花は――ッ」", "326001512_42": "「こんなのってないデスよッ!」", "326001512_43": "「仮想脳領域で問題解決できたのに、\\n 本当の脳領域には手が出せないなんて……」", "326001512_44": "「……きっと、まだ何かほかに方法があるはずです」", "326001512_45": "「もし、方法があるとしたら……」", "326001512_46": "「あるのかッ!?」", "326001512_47": "「方法を教えて頂戴ッ!」", "326001512_48": "「それは――」", "326001512_49": "「響……」", "326001512_50": "「――えッ!?」", "326001512_51": "(……今、響が一瞬笑った……?)" }