{ "404001341_0": "「ほら、どうしたの? 急がなくていいの?\\n このままじゃあなたたちの企みは水泡に帰すわよ?」", "404001341_1": "「ベルちゃん……もう、やめよう?\\n こんなことダメだよ」", "404001341_2": "「わたしはベルちゃんと一緒に過ごして、楽しかった。\\n ライブを楽しみにしていた姿が嘘だったなんて思えない」", "404001341_3": "「そうね。あれは嘘じゃないわ。\\n 本当に楽しみだったから……」", "404001341_4": "「それなら、歌が好きな者同士、\\n わたしたちは、わかりあえるはずだよッ!」", "404001341_5": "「響は何もわかっていないのね……」", "404001341_6": "「わたしはね、歌が好きなわけじゃないの」", "404001341_7": "「え……?」", "404001341_8": "「歌を聴く人々を見るのが好きなの」", "404001341_9": "「それだって同じだよッ!\\n わかりあえる――」", "404001341_10": "「そう……歌を心から楽しんでいた人々の顔が、\\n 一瞬にして絶望に染まる様が好き」", "404001341_11": "「ッ!?」", "404001341_12": "「一瞬にして、絶頂から絶望へと叩き落される様。\\n 天使と思っていた相手が悪魔だった、そんな絶望の顔……」", "404001341_13": "「わたしはそれが見たいから、ライブを開いたのよ。\\n 人を楽しませ、そして最後に絶望させるために……フフ」", "404001341_14": "「そん……な……」", "404001341_15": "「そう、そんな顔よ。ああ、響っていい表情するわよね。\\n 持って帰りたいくらい」", "404001341_16": "「でも、もっともっと絶望する姿が見たいの。\\n ――だから、もう一度これをプレゼントしようかなって」", "404001341_17": "「くッ! これは……」", "404001341_18": "「悪意の種――マリスシードよ。\\n 忘れちゃったかしら?」", "404001341_19": "「――えッ!? うぐッ!?」", "404001341_20": "「うああああああああ――ッ!!」", "404001341_21": "「前回はちゃんと見られなかったし、\\n 今回は目の前の特等席で見ることにするわ。頑張ってね?」" }