{ "356000412_0": "「ぶった切ってでも、連れ戻してやらああッ!」", "356000412_1": "「く……ッ!\\n どうしてそんなに……」", "356000412_2": "「んなもん……仲間だからに決まってるだろーがッ!」", "356000412_3": "「……ッ!」", "356000412_4": "「てめーは、頑固で生意気で、\\n 最初はいけ好かねーって思ってた……」", "356000412_5": "「だけど、心根は悪くねーッ!」", "356000412_6": "「エレクライトで3人が繋がったあの時――」", "356000412_7": "「こいつとなら、スターリットと同じように\\n 家族になれるかもって――」", "356000412_8": "「だから、お前を死なせたくはねーんだよッ!」", "356000412_9": "「わたしだって……」", "356000412_10": "「あぁん?」", "356000412_11": "「わたしだって、3人でいるあの時間が好きだったッ!」", "356000412_12": "「未来を失ったわたしの心に、温かさをくれた。\\n だから――」", "356000412_13": "「本当は戦いたくなんてえええッ!」", "356000412_14": "「ぐ……ッ!」", "356000412_15": "「だったら、やっぱり戻ってこい。\\n テスラの理想郷に行こうッ!」", "356000412_16": "「そこで、ミクってやつも一緒に、\\n 本当の家族になればいいじゃねーか……ッ!」", "356000412_17": "「そこには奪い合う苦しみも、\\n 離れ離れになる悲しみもねーんだッ!」", "356000412_18": "「それは、楽しそうだね……」", "356000412_19": "「だったら――」", "356000412_20": "「でもそのために、たくさんの人が死ぬんだ……。\\n フォルテは本当に、それでいいのッ!?」", "356000412_21": "「…………あたりめーだ……。\\n 今ある世界なんて、無くなったほうがいいんだよッ!」", "356000412_22": "「――ッ!?」", "356000412_23": "「コンダクターの起動を確認した。\\n これで、この星も理想郷の一部となる」", "356000412_24": "「計画も、もう佳境だ。\\n 私たちは次の並行世界に急ぐとしよう」", "356000412_25": "「ヤーッ!」", "356000412_26": "「待ってッ!」", "356000412_27": "「行かせないデスッ!」", "356000412_28": "「君たちは……」", "356000412_29": "「久しぶり、ニコラ・テスラ」", "356000412_30": "「……そうか。\\n ここは君のいる並行世界だったか」", "356000412_31": "「と、ところで、2人はどういった\\n お知り合いなんデス?」", "356000412_32": "「出会ったのはずっと前。まだ切ちゃんが眠ってて、\\n もう1人の切ちゃんを作るよりも前のこと」", "356000412_33": "「切ちゃんを目覚めさせるためにあらゆる方法を探したけれど、\\n わたしとダメ助手だけじゃ限界があって、絶望してた」", "356000412_34": "「テスラは、そんなわたしにいくつかの技術を教えてくれたの。\\n アンドロイド躯体、人造人格、そして並行世界の移動技術――」", "356000412_35": "「――ッ!\\n じゃあもしかして……」", "356000412_36": "「そう。もう1人の、アンドロイドの切ちゃんは、\\n テスラに教えてもらった技術のおかげで完成したの」", "356000412_37": "「――ッ!\\n その子、アンドロイド……」", "356000412_38": "「君ならできると思ったが、その通りだったようだな」", "356000412_39": "「おかげさまで」", "356000412_40": "「でも、久しぶりに会ったあなたが、星を消滅させようとする\\n マッドサイエンティストになっているとは思わなかった」", "356000412_41": "「ヒビキさんと話してたことは、\\n こっそり聞かせてもらったデスよッ!」", "356000412_42": "「今も昔も、私の目的は変わらない」", "356000412_43": "「なら、なんでわたしに技術を教えたのッ!?」", "356000412_44": "「ほんの気まぐれだ。私は、並行世界の調査をしている途中で、\\n 必死に研究を続けている君と出会った」", "356000412_45": "「君は、大切な人と再会するため、\\n 血を吐くような努力をしていた」", "356000412_46": "「何度絶望しても、諦めたくないと……。\\n だからかな。思わず手を貸したくなってしまったのは」", "356000412_47": "「……つまり、大切な人を失ったわたしを見て……?」", "356000412_48": "「あなたはさっき、理想郷で人を復活させると言っていた……。\\n ひょっとして、あなたの目的は――」", "356000412_49": "「相変わらず、いい頭脳を持っている。\\n だが、残念ながら時間切れだ」", "356000412_50": "「私はもう行く。この星が消滅したとしても、\\n 並行世界移動ができる君たちなら助かるだろう」", "356000412_51": "「勝手なことを言うなデスッ!\\n そもそも、星の消滅なんてさせないデスよッ!」", "356000412_52": "「ならば――」", "356000412_53": "「――ッ!」", "356000412_54": "「レーベンガーに分解されるといい。\\n その後、我が理想郷にて蘇らせてやる」", "356000412_55": "「では、また会おう」", "356000412_56": "「クソ……ッ」", "356000412_57": "「迫る星の消滅と、立ちふさがるレーベンガー……。\\n ひょっとして、かなりピンチデスッ!?」", "356000412_58": "「いっそのこと、\\n 本当に他の世界に逃げちゃう?」", "356000412_59": "「この世界を見捨てるなんて、ダメデスよ……ッ!」", "356000412_60": "「そ、そうですッ! 並行世界の移動装置は、\\n 僕の分までないのですよッ!」", "356000412_61": "「あ、ごめん忘れてた」", "356000412_62": "「ヒドイッ!」", "356000412_63": "「じゃあ、ダメ助手、\\n 死にたくなかったら働いて」" }