{ "352000721_0": "「ん、んん……いつつ……。\\n あれ、ここは……?」", "352000721_1": "「目が覚めた? 砦の医療テントだよ。\\n 病室は重傷者でいっぱいで、ごめんね」", "352000721_2": "「砦……?\\n そうか、あのあとぶっ倒れたのか」", "352000721_3": "「……クリス、ずっと起きなくて心配したよ」", "352000721_4": "「クリス、大丈夫?」", "352000721_5": "「よかった。みんなも無事だったんだな……」", "352000721_6": "「医療スタッフから、全員しばらく安静にしろと言われてな」", "352000721_7": "「それはともかく、あれからどうなったッ!?\\n 状況は――ッ!?」", "352000721_8": "「うん、人的被害がかなり多くて。\\n 態勢を立て直すのにも、時間かかるらしいよ」", "352000721_9": "「そんなに犠牲者が……」", "352000721_10": "「ジズとの決戦での死傷者以外に、\\n 新しく現れたレギオンの被害も大きいんだ……」", "352000721_11": "「あのレギオンは一体どこから来たんですか?」", "352000721_12": "「人類戦線の斥候部隊の情報だと、\\n 落ちてきたのは隕石じゃなかったみたい」", "352000721_13": "「隕石じゃないなら、なんなんだ?」", "352000721_14": "「レギオンの草体だよ」", "352000721_15": "「草体?」", "352000721_16": "「レギオンが繁殖に使う、植物に似た生命体で、\\n いわばレギオンの巣なんだって」", "352000721_17": "「それじゃ、そいつがあると、\\n レギオンは無限に出てくるってことかよ」", "352000721_18": "「そういうこと」", "352000721_19": "「でも、どうして今になって、\\n 再びレギオンが地球にやってきたんでしょうか?」", "352000721_20": "「わたしもずっと考えてたんだけど……みんな、覚えてるよね。\\n 少し前にもレギオンと戦ったのを」", "352000721_21": "「わたしがレギオンのギアを纏った時のことだな」", "352000721_22": "「そう、あのレギオンだけど、死に際に空を見上げていたよね?\\n 今思えば、あの時に仲間を呼んでいたんじゃないかな」", "352000721_23": "「確かなことまではわからないけど。\\n あの時、なんだかすごく嫌な予感がしてたんだよね……」", "352000721_24": "「…………」", "352000721_25": "「問題は、その草体というものが、\\n ポイントZのすぐ近くにあるってことなんだ……」", "352000721_26": "「つまり、今度はその草体とやらが、\\n ギャラルホルンのゲートを塞いでいるということか」", "352000721_27": "「それじゃ、敵がギャオスからレギオンに変わっただけで\\n 状況はあんまり変わらないな」", "352000721_28": "「お父さんが今、草体をどうするかって\\n 人類戦線のみんなと対策を話し合ってるよ」", "352000721_29": "「た、大変だ、小型のレギオンが攻めてきたッ!」", "352000721_30": "「またッ!?」", "352000721_31": "「またとはどういうことだ」", "352000721_32": "「あれから散発的に小型のレギオンが砦を襲ってきてるの」", "352000721_33": "「数は多くないから、俺たちでも対処できるが、\\n 念のために避難してくれ」", "352000721_34": "「ならば、わたしたちが行きましょう」", "352000721_35": "「何を言ってるんだ。\\n 君たちは病み上がりだろうッ!」", "352000721_36": "「心配する相手を間違えてないか?」", "352000721_37": "「十分、休ませてもらいました。\\n だから、大丈夫ですよ」", "352000721_38": "「わたしたちもみなさんを護るお手伝いをします」", "352000721_39": "「……わかった。\\n 正直、君たちが協力してくれるのはありがたい」", "352000721_40": "「あたしらに任せとけッ!」" }