{ "352000631_0": "「ぐあああ――ッ!」", "352000631_1": "「撤退だッ! 撤退しろッ!」", "352000631_2": "「撤退って言われても、後ろにもギャオスが――ッ!?」", "352000631_3": "「がは……、ここまでか……」", "352000631_4": "「おいッ! しっかり――」", "352000631_5": "「ぎゃあああ――ッ!」", "352000631_6": "「人類戦線の人たちが――」", "352000631_7": "「はあ、はあ、はあ……、\\n 全く、終わりが見えない……」", "352000631_8": "「このまま、みんなやられちゃうのかな……?」", "352000631_9": "「死んでたまるか、諦めてたまるかッ!」", "352000631_10": "「もう、あいつみたいな犠牲者は出したくねえのにッ!」", "352000631_11": "「ガメラッ! あたしに力を貸してくれッ!」", "352000631_12": "「…………」", "352000631_13": "(くそッ! どうしてガメラは応えないッ!?\\n あたしに力を貸してくれないッ!?)", "352000631_14": "(あたしが、弱いからなのか……)", "352000631_15": "「ギャオスが、ギャオスが――ッ!\\n ぐああ――ッ!」", "352000631_16": "「こんなの無理じゃないかッ!\\n 全滅しちまうッ!」", "352000631_17": "「…………」", "352000631_18": "「うおおおおお――ッ!」", "352000631_19": "「Gatrandis babel ziggurat edenal――」", "352000631_20": "「なッ!? 絶唱ッ!?\\n 雪音――」", "352000631_21": "「クリスッ! そんな身体で絶唱したら――ッ!」", "352000631_22": "「雪音さん……」", "352000631_23": "(もうこれ以上、\\n 悲しむ人が増えるのには耐えられねえんだよッ!)", "352000631_24": "「Emustolronzen fine el baral zizzl――」", "352000631_25": "「クリス、ダメッ!」", "352000631_26": "「……そんなこと、させませんッ!」", "352000631_27": "「風鳴さん、小日向さんッ!\\n わたしたちも絶唱を――」", "352000631_28": "「えッ!?」", "352000631_29": "「考えている時間はないッ! セレナを信じるんだッ!」", "352000631_30": "(姉さん、わたしに力を貸してッ!)", "352000631_31": "「はああああ――ッ!」", "352000631_32": "(雪音さんの、みなさんの……絶唱のエネルギー負荷を――ッ!)", "352000631_33": "「はあ、はあ、はあ……」", "352000631_34": "「クリス、大丈夫ッ!?」", "352000631_35": "「ああ、なんとかな……」", "352000631_36": "「ん? だけど、なんでだ?\\n やけに絶唱のダメージが少ないぞ」", "352000631_37": "「セレナに感謝するんだな。\\n 雪音が無事なのは、彼女のおかげだ」", "352000631_38": "「なんだって?」", "352000631_39": "「わたしたちも一緒に絶唱して、\\n その負荷をセレナちゃんが分散させたんだよ」", "352000631_40": "「はい、アガートラームの絶唱特性、ベクトル操作で。\\n 土壇場でしたが、上手くいってよかったです」", "352000631_41": "「そうだったのか……、ありがとな」", "352000631_42": "「いえ、無事で何よりです」", "352000631_43": "「それにしても雪音、\\n まさか死ぬつもりだったのではないだろうな?」", "352000631_44": "「そんなわけあるかッ!\\n まあ、ちょっとばかし怪我する覚悟はしてたけどよ」", "352000631_45": "「雪音は本当に無茶をする……」", "352000631_46": "「それよりも――」", "352000631_47": "「今の絶唱で、ジズとギャオスも倒せたのかな?」", "352000631_48": "「ギャオスを全滅させることはさすがに無理だったが、\\n これで戦況はかなり変わるだろう」", "352000631_49": "「あのデカブツを墜とせたんなら、\\n 無茶をした甲斐があったってもんだ」", "352000631_50": "「はい、ですが――」", "352000631_51": "「ああ、我々の体力も限界だな」", "352000631_52": "「流石に、疲れました……」", "352000631_53": "(だけど、まだ終わりじゃない……)" }