{ "348000311_0": "積み重ねる信頼", "348000311_1": "「はあああ――!」", "348000311_2": "「おー、なかなかの豪快さんだな。\\n 一振りで木を切り倒すなんて」", "348000311_3": "「これくらい……普通、です。\\n 慣れれば誰でもできると思います」", "348000311_4": "「慣れか。それじゃあ、あたしも。\\n ガングニールで叩き切るッ!」", "348000311_5": "「え? 槍で木を切るんですか?」", "348000311_6": "「……やっぱり無理かな?」", "348000311_7": "「斧とは……根本的に作りが違いますから」", "348000311_8": "「ただ……あなたほどの腕前なら、\\n コツを掴めば木を切ることもできるかもしれません」", "348000311_9": "「それじゃ、そのコツってやつを教えてくれよ」", "348000311_10": "「私が……ですか?」", "348000311_11": "「他に誰がいるんだよ」", "348000311_12": "「……パパから教わったことの受け売りでもよければ」", "348000311_13": "「ああ、もちろんッ!」", "348000311_14": "「では、木を切るときは刃を入れる角度が大切で……」", "348000311_15": "「……以上です。どうでしょう」", "348000311_16": "「丁寧に教えてくれてありがとう。\\n コツがわかった気がするよ」", "348000311_17": "「よかったです……。ただ……こういうことは、\\n 実践して……初めて身になるんだと思います」", "348000311_18": "「それもそうだな。\\n じゃあ今教わったことを試してみようかッ!」", "348000311_19": "「あたしのガングニールで、\\n この木をぶった切ってなッ!」", "348000311_20": "「どうだ、見たか?\\n 1発だッ!」", "348000311_21": "「本当に1回で切り倒しました……」", "348000311_22": "「やっぱり丁寧にコツを教えてもらえたおかげだな」", "348000311_23": "「あなたにそれだけの技量が備わっていたからだと\\n 思うのですが……」", "348000311_24": "「ここは素直に受け取っとけって」", "348000311_25": "「……わかりました」", "348000311_26": "「っと、時間使わせたな。\\n バンバン切って、時間を取り戻すぞッ!」", "348000311_27": "「これぐらいの時間なら……取り戻せますね、きっと。\\n けれど、木を切りすぎるのは……ダメです」", "348000311_28": "「わ、わかってるって。\\n 必要な分を必要なだけ、だろ?」", "348000311_29": "「はい」", "348000311_30": "「まあ、2人で運ぶのも一苦労だしな。\\n ちょっとずつやっていくか」", "348000311_31": "「……けどその前に、\\n こいつらを片付けるとするかッ!」", "348000311_32": "「木を倒す音に気づいて集まったようですね」", "348000311_33": "「こっちは木材を持ち帰らないといけないんだ。\\n 邪魔をするなッ!」" }