{ "344000421_0": "「想像以上にこの街は変わってるな。\\n 全然人の気配が無いぞ」", "344000421_1": "「向こうに工場が見えます。煙が上がっているし、\\n みんなそこで働いているのかも」", "344000421_2": "「確かに、国といっても母体は工業系の企業なんだもんな」", "344000421_3": "「……」", "344000421_4": "「どうかしたのか?」", "344000421_5": "「ドヴェルグ族がどこにいるのか、\\n ヴェイグさんが気配を探っているんです」", "344000421_6": "「あたしはあそこが怪しいと思うんだが」", "344000421_7": "「あれは……お城ッ!?」", "344000421_8": "「王国を作ったって言ってたけど、城まで建ててるとはな。\\n 国王様はあそこでふんぞり返ってるってわけだ」", "344000421_9": "「さっそく乗り込んでそいつをぶん殴れば……」", "344000421_10": "「潜入調査なんですから、目立ったらダメですよッ!」", "344000421_11": "「冗談に決まってるだろ。\\n 強張ったお前たちの表情を変えようと思ったんだ」", "344000421_12": "「わ、わたし、そんな顔してましたか?」", "344000421_13": "「鏡があったら見てくるといいぞ。\\n 緊張してますって、顔に書いてあるからな」", "344000421_14": "「それで? 実際どうなんだ?\\n ドヴェルグ族の気配は掴めそうか?」", "344000421_15": "「はっきりしたことはわからないけど、\\n お城の方ではないみたいです」", "344000421_16": "「あっちにいる気がするって……」", "344000421_17": "「工場の方だね」", "344000421_18": "「よし、そこから調べようッ!」", "344000421_19": "「はいッ!」", "344000421_20": "(姉さんは今どうしているかな?\\n 無事でいてくれるといいけれど……)", "344000421_21": "「くう……ッ!」", "344000421_22": "「大丈夫かッ!?」", "344000421_23": "「ええ。ピンシャンよッ!」", "344000421_24": "「フッ、奏たちが敵地に乗り込んだと聞いてから、\\n 一層気合いが入ったようだな」", "344000421_25": "「当たり前でしょう。セレナも頑張っているのに、\\n わたしがこんなところで倒れるわけにはいかないわッ!」", "344000421_26": "「その通りだな。では、推して参る……ッ!」" }