{ "342000121_0": "――3日前――", "342000121_1": "――特異災害対策機動部二課――", "342000121_2": "「――不明のアルカ・ノイズの反応だと?」", "342000121_3": "「はい。欧州方面にてここ1週間で、\\n 複数回検知されているようです」", "342000121_4": "「詳しい状況まではわかりませんが……」", "342000121_5": "「……政府の方に正式な救援要請などは届いているのか?」", "342000121_6": "「それは無いようです。\\n 寝た子を起こしたくないってところかもしれませんね……」", "342000121_7": "「大方、聖遺物関連の施設の取り合いでもしてるんじゃない?\\n アルカ・ノイズを使って」", "342000121_8": "「……ままならないものだな」", "342000121_9": "「アルカ・ノイズの脅威を知らされていても、\\n 俺たちではそれが使われるのを防ぐことはできない……」", "342000121_10": "「私たちはあくまで日本の組織だし、仕方ないわよ。\\n でも、向こうには錬金術師だっているじゃない?」", "342000121_11": "「ああ、欧州といえば彼らの本拠地だが……」", "342000121_12": "「必要があれば連絡くれるでしょうし。\\n その時に助けてあげられれば、いいんじゃないかしら?」", "342000121_13": "「そうだな……」", "342000121_14": "(――この胸騒ぎが、ただの杞憂であってくれればいいのだが)", "342000121_15": "「任務だよ、君たちに。急ぎのね」", "342000121_16": "「……それは、ここ1週間ほどで発生してる、\\n 協会への襲撃事件についてでしょうか?」", "342000121_17": "「早いね、耳が。\\n 調べていたのかな、何が起きているのかを」", "342000121_18": "「相手はこちらに手を出してきている。\\n いつまでも好き勝手させるつもりはないワケダ」", "342000121_19": "「そうね。\\n 丁重にお・も・て・な・し、してあげようかなって」", "342000121_20": "「聞いているのかな、\\n 襲撃の現場で何があったのかをね」", "342000121_21": "「かろうじて無事だった者の話なら聞きましたが……」", "342000121_22": "「光がーッ! とか、消されるーッ! とか、\\n 叫んでるだけで、要領を得ないのよねー」", "342000121_23": "「よほどの精神的ショックでも受けたワケダ」", "342000121_24": "「消えたらしい、白い光と共に。\\n 襲われた協会の同胞たちは」", "342000121_25": "「……焼却された、ということでしょうか?」", "342000121_26": "「――違うな。\\n 検知されていないからね、一切の熱は」", "342000121_27": "「現場ではアルカ・ノイズの反応もあったと聞いています。\\n ならば、それによって分解されたのでは?」", "342000121_28": "「その可能性も検討したさ。\\n しかし違っているんだよ、調べてみたところね」", "342000121_29": "「もう、それじゃッ! わけわかんないじゃないッ!」", "342000121_30": "「だから頼みたいんだ、君たちに」", "342000121_31": "「了解しました。\\n では私たち3名で正式に調査に当たります」", "342000121_32": "「敵は短時間で協会の拠点を潰している。\\n 襲撃があってから、普通に向かったのでは間に合わないワケダ」", "342000121_33": "「洗い出しているところだよ、次に狙われそうな拠点を――」", "342000121_34": "「今の音はッ!? それに、この揺れ――」", "342000121_35": "「もしかして、この錬金術師協会の本部が――」", "342000121_36": "「襲撃を受けているとでもいうワケダッ!?」", "342000121_37": "「さすがに予想外だったね、次の狙いがここだったとは」", "342000121_38": "「2人とも、行くわよッ!」", "342000121_39": "「この協会本部を襲うとは、いい度胸をしているワケダッ!」", "342000121_40": "「心を込めて、お出迎えしてあげなくっちゃねッ!」" }