{ "335000121_0": "「ここが巨人島か。普通にのどかな島っぽいけど……」", "335000121_1": "「まずは村へと向かおう。島民はそこにいるはずだ」", "335000121_2": "「巨人もいるかもしれないな……」", "335000121_3": "「そうだね。巨人はどうして島の人を襲ったのか、\\n 直接聞いたらわかるかな?」", "335000121_4": "「あのな、そんなのんきなことやってる状況かよ。\\n 戦場で何をバカなことをって言われたいのか?」", "335000121_5": "「そ、それは嫌だけど……。巨人っていうくらいだから、\\n 人と同じように話すことも出来るかなって」", "335000121_6": "「いずれにしても、まずはその正体をこの目で見定める\\n 必要があるな。……見えてきたぞ。あの村だ」", "335000121_7": "「ひどい……」", "335000121_8": "「襲われたっていうのは本当みたいだな。\\n おまけにこの足跡……」", "335000121_9": "「これが、巨人の……ッ!」", "335000121_10": "「急いで村を調べるぞ。\\n 生存者がいるかもしれないッ!」", "335000121_11": "「わかりました。あっちを見てきますッ!」", "335000121_12": "「……そっちはどうだ?」", "335000121_13": "「残念だが、生存者はいなかった。だが、遺体も無い。\\n ところどころに血痕が見つかっただけだ」", "335000121_14": "「こっちもです。ということはみんな、\\n 襲われたけど逃げられたっていうことでしょうか」", "335000121_15": "「かもしれないな。\\n 村から逃げて、どこかに隠れているかもしれない」", "335000121_16": "「足跡を辿ってみよう。巨人が逃げる島民たちを\\n 追ったとするなら、どちらもその先にいるはずだ」", "335000121_17": "「はい、行ってみましょうッ!」", "335000121_18": "「誰かーッ! 誰かいませんかーッ!」", "335000121_19": "「誰も見当たらないな」", "335000121_20": "「かなり内陸の方まで進んだと思うが……」", "335000121_21": "「きっともっと奥の方まで逃げているんですよッ!」", "335000121_22": "「……そうだな。さらに奥まで進んで……」", "335000121_23": "「だ、誰か、誰かいるのかッ!」", "335000121_24": "「この声はッ! 島の人のッ!?」", "335000121_25": "「あそこだッ! やっぱり無事なやつがいたんだな。\\n おーい、こっちだッ! 今助けてやるから――」", "335000121_26": "「……あの男性の後ろ、何かいるぞッ!」", "335000121_27": "「あれは……巨人ッ!?」", "335000121_28": "「まずい、彼が捕まる……ッ!」", "335000121_29": "「は、離せッ! た、助けてくれえええッ!」", "335000121_30": "「え……」", "335000121_31": "「巨人が、人を食べて――ッ!?」", "335000121_32": "「く――ッ!\\n そうか、村に遺体が無かったのは……ッ!」", "335000121_33": "「間に合わなかった……。\\n わたしたちに助けを求めていたのに……」", "335000121_34": "「この音はッ!?」", "335000121_35": "「今度はなんだよッ!?」", "335000121_36": "「森の奥からだ。来るぞッ!」", "335000121_37": "「巨人の群れッ! まだこんなにいやがったのかッ!」", "335000121_38": "「おい……、この数はちょっとまずいんじゃないかッ!?」", "335000121_39": "「こちらに向かって一直線に……。\\n わたしたちのことも捕食しようというわけかッ!」", "335000121_40": "「待ってッ! どうしてあなたたちは人を襲うの?\\n 何か理由があるなら――」", "335000121_41": "「うわ――ッ!? は、離してッ!」", "335000121_42": "「立花……ッ!」", "335000121_43": "「あのバカ、言わんこっちゃないッ!」", "335000121_44": "「そんなバカでも、お前らに食わせてやるかよッ!」", "335000121_45": "「――とッ! ありがとう、クリスちゃんッ!」", "335000121_46": "「どうやら話の通じる相手ではなかったようだ」", "335000121_47": "「ああ。完全に化け物だな。このバカのこと、捕食対象として\\n しか見てなかったみたいだ。きっと他の島民も……」", "335000121_48": "「……うん。放っておいたら、\\n まだ生き残っている人を食べに行くかもしれない」", "335000121_49": "「わたしたちがここで止めようッ!」" }