{ "320000421_0": "「さあ、今日も練習を始めるとしましょう」", "320000421_1": "「少し休憩しましょうか。\\n だんだんと形になってはきています。あと少しですぞ」", "320000421_2": "「ずっと同じこと言われている気がするデスよ……」", "320000421_3": "「くッ……自分がこんなに不器用だったなんてッ!」", "320000421_4": "「あと少しなんですけど……うーん……」", "320000421_5": "「みなさんなかなかの上達ぶりですが、\\n あなたは特に筋がいいですな」", "320000421_6": "「え、そうですか?」", "320000421_7": "「はい。この短期間に、転ばなくなっただけでもすごいことです。\\n ただ、足の運びに集中して、気持ちがまだ足りていませんな」", "320000421_8": "「気持ち……?」", "320000421_9": "「最初に教えた、神様への感謝と尊敬の気持ちです。\\n これがあることで、舞は舞たりえるのですよ」", "320000421_10": "「……精進します」", "320000421_11": "「期待しておりますぞ。あなたは10年に一度の\\n スペシャルなセンスの持ち主かもしれませんからな」", "320000421_12": "「横文字で言われるとすごく胡散臭く感じる……」", "320000421_13": "「そこは特別な才能を感じるとかでいいでしょうに……」", "320000421_14": "「なんにしても、さっすが調デスッ!」", "320000421_15": "「やっぱり月読さんはすごいです」", "320000421_16": "「前にちょっと神社に興味があって、いろいろ調べてたから……。\\n みんなより、ちょっとだけ詳しいだけだよ」", "320000421_17": "「神職に興味を持ってくださって、嬉しいですよ。\\n さて、もう少し練習を――」", "320000421_18": "「――ッ!?」", "320000421_19": "「あッ! ウサギたちがッ!」", "320000421_20": "「境内の方へ行ったデスッ!\\n これは――」", "320000421_21": "「ええ、おそらくは災禍の魔物よッ!\\n 急ぎましょうッ!」", "320000421_22": "「そうだね、みんなで行こう」", "320000421_23": "「む、ならば私も――」", "320000421_24": "「宮司さんは、お留守番。……わたしたちに舞を教えてくれる\\n 人がケガをしたり、いなくなったら困るから」", "320000421_25": "「……しかしですな」", "320000421_26": "「ダメと言ったらダメデスッ!」", "320000421_27": "「……仕方ありません。\\n しかし、みなさんを応援くらいはさせていただきます」" }