{ "316000812_0": "「くう――ッ!?」", "316000812_1": "「さらに強くなってるッ!?」", "316000812_2": "「クソッ、性能向上は天井知らずかよッ!」", "316000812_3": "(この手応えは――?)", "316000812_4": "「くッ!?」", "316000812_5": "「ちい――ッ!?」", "316000812_6": "(これは――ッ?)", "316000812_7": "「――くッ! 一度距離を取って立て直すぞッ!」", "316000812_8": "「おい、大丈夫かッ!?」", "316000812_9": "「なんとか……でも、どうしよう?」", "316000812_10": "「毎回毎回、こう強化されちゃ、手に負えないぞ」", "316000812_11": "「しかし装甲強度や火力そのものは、\\n 前回までとそう大差はなさそうだ」", "316000812_12": "「なら、なんでここまで手こずるんだ?」", "316000812_13": "「以前とは行動パターンが異なるようだ」", "316000812_14": "「それって、動きが速くなってるってことですか?」", "316000812_15": "「それだって性能向上には違いないだろ」", "316000812_16": "「いや……そういう感じではないな」", "316000812_17": "「これまでは手控えていたのが、今では本気でこちらを\\n 倒しに来ているような――そんな感覚が近い」", "316000812_18": "「今まで手加減してたってのか?」", "316000812_19": "「ああ。機械相手だから殺気の有無こそ感じられないが、\\n 攻撃が急所を的確に狙うようになってきたように思える」", "316000812_20": "「なんでそんなことを……?」", "316000812_21": "(そう、なぜそんなことを?)", "316000812_22": "(オートマシンの――。\\n いや、それを操る者の意図は、なんなのだ?)", "316000812_23": "(オートマシンを何度もわたしたちの前に出現させ、\\n そしてまたカルマノイズを護るかのように振る舞っていた)", "316000812_24": "(そんなことをして、一体誰が何の得をする?)", "316000812_25": "(わたしたちを窮地に追い込むため?\\n だが、そうまでしても仕留めようとはせずにいた理由とは?)", "316000812_26": "「――まさかッ!?」", "316000812_27": "「急に後ろで大声出すなってッ!」", "316000812_28": "「どうしたんですかッ!?」", "316000812_29": "「これまで、オートマシンはシャロンに\\n 聖遺物の力を使わせるために出現していたのではないか?」", "316000812_30": "「なんだってッ!?」", "316000812_31": "「そう考えればマンションの近郊でばかりに\\n 出現していたのも納得がいく」", "316000812_32": "「前に雪音も言っていただろ、これは偶然か、と」", "316000812_33": "「確かに言ったけど、それじゃ……」", "316000812_34": "「ああ、それが正しければ首謀者は――」", "316000812_35": "「まさか――」", "316000812_36": "「くう――ッ!」", "316000812_37": "「立花ッ!?」", "316000812_38": "「くッ! あっちいけッ!!」", "316000812_39": "「あ、ありがとう、クリスちゃんッ!」", "316000812_40": "「今は誰が黒幕かなんて考えても仕方ないだろッ!」", "316000812_41": "「目の前のこいつらを倒せなけりゃ、\\n こっちがやられるだけだッ!」", "316000812_42": "「ああ。確かにな……」", "316000812_43": "「だが、この数を切り崩すのは容易ではないな」", "316000812_44": "「珍しいな、先輩が弱音か?」", "316000812_45": "「客観的に分析しただけだ」", "316000812_46": "「そんな計算なんて、覆してみせますッ!」", "316000812_47": "「ああ……人間は機械の計算を凌駕する可能性を\\n 秘めているということ、証明してみせようッ!」", "316000812_48": "「ったく。結局はいつもの根性論かよッ!」", "316000812_49": "「こんなのに負けてたら、シャロンちゃんを\\n 助けることなんてできやしない……」", "316000812_50": "「絶対に勝ってみせるッ!!」", "316000812_51": "「え――ッ? な、なんでッ?」", "316000812_52": "「ギアが、勝手に――」", "316000812_53": "「変化した、だと――?」", "316000812_54": "「まさか……近くにシャロンちゃんがッ!?」", "316000812_55": "「見ろッ! 上空に、ヴィマーナがッ!」", "316000812_56": "「あんな巨大な船が、いつの間に頭の上にッ!?」", "316000812_57": "「ワープしてきたとでもいうのか」", "316000812_58": "「ッ!? 気をつけろ、撃ってくるぞッ!!」", "316000812_59": "「ちッ!」", "316000812_60": "「うわあああ――ッ!?」" }