{ "304000622_0": "「あ……未来……」", "304000622_1": "「おはよう、響」", "304000622_2": "「もしかして、ずっと傍で、こうして……?」", "304000622_3": "「ずっとじゃないけど……大体は、かな」", "304000622_4": "「ごめんね……」", "304000622_5": "「もう。ごめんは無しだよ」", "304000622_6": "「うん、わかった。ごめん――あッ」", "304000622_7": "「フフ……もう、言ってる傍から」", "304000622_8": "「はは……ほんと、わたしってばおかしいね……」", "304000622_9": "「あのね、響……」", "304000622_10": "「ずっとこうしてついていてあげたいんだけど、\\n 行かなくちゃいけないところができたの」", "304000622_11": "「行くって……どこへ……?」", "304000622_12": "「ギャラルホルンを通って、並行世界へ」", "304000622_13": "「な、なんでッ!? 未来がどうして並行世界なんかに?」", "304000622_14": "「落ち着いて聞いて……」", "304000622_15": "「う、うん……」", "304000622_16": "「響の具合が悪くなった原因が、並行世界にあるんだって」", "304000622_17": "「並行世界にいる、もう1人の響の心が……\\n 響の中に流れ込んで苦しめてるの」", "304000622_18": "「だから、わたし……響を助けに行きたいの。\\n そして、向こうの世界の響も……」", "304000622_19": "「とめても……」", "304000622_20": "「……うん。もう決めたんだ」", "304000622_21": "「……だよ、ね」", "304000622_22": "「あのね、未来……お願いが、あるんだ」", "304000622_23": "「なに?」", "304000622_24": "「あの子……並行世界のわたしなんだけど、多分、ずっと\\n 真っ暗な所で独りきりで、辛い思いを抱え込んでるんだ……」", "304000622_25": "「誰も助けてくれないから、誰も信じれない、どんなに悲しくても\\n 言えない、そんな気持ちを感じるんだ……」", "304000622_26": "「だから……助けてあげて欲しい。わたしは1人じゃないって、\\n 一番辛い時にわたしに教えてくれたのは、未来だから……」", "304000622_27": "「何度も暗い夜からわたしを助けてくれたのは、未来だから」", "304000622_28": "「うん……」", "304000622_29": "「でもね、響。わたしだって、何度も何度も、\\n 響に助けられてきたんだよ?」", "304000622_30": "「わたしたち、ずっとそうして一緒に生きてきたんじゃない」", "304000622_31": "「だから、もう1回、わたしの番。\\n 響のこと、わたしに助けさせて?」", "304000622_32": "「うん……ありがとう、未来」", "304000622_33": "「待ってるから……。だから、絶対に、無茶しないでね?」", "304000622_34": "「フフ……いつもと反対だね」", "304000622_35": "「うん……本当だ。反対だね……」", "304000622_36": "「わたし、未来をいつもこんな気持ちにさせてたんだね」", "304000622_37": "「わたしの気持ちがわかったら、\\n 次からはもう少し無茶は控えてね?」", "304000622_38": "「うん……できるだけ頑張ってみる」" }