{ "208000511_0": "超覚醒:雪音クリス【ARTHEMIS EIDOLON】", "208000511_1": "「さて、どんな敵が出てきてもいいように\\n 和装型ギアの強化特訓をしてきた訳だが……」", "208000511_2": "「少しは強くなれたと思いますけど……」", "208000511_3": "「正直、まだまだ足りない気がするデスッ!」", "208000511_4": "「何が足りないんだろう?」", "208000511_5": "「また、時代劇をいっぱい観るデスか?」", "208000511_6": "「それは勘弁だ……」", "208000511_7": "「それより、ここからは別々に特訓しないか?\\n 同じ和装型って言っても、それぞれ違う形状だしな」", "208000511_8": "「確かに、それぞれが抱く心象によって\\n ギアの形状は異なります」", "208000511_9": "「つまり、心象を強めるのに必要な特訓も違うってことデスね」", "208000511_10": "「ああ、だからこその個別特訓だッ!」", "208000511_11": "「ナイスアイデアデースッ!」", "208000511_12": "「わたしも賛成です」", "208000511_13": "「決まりだな」", "208000511_14": "「一番最初に強くなってみせるデスよッ!」", "208000511_15": "「負けない」", "208000511_16": "「あたしも、後輩に後れを取るわけにはいかないな」", "208000511_17": "「じゃ、今日のところは解散だ」", "208000511_18": "「……なんて啖呵を切ったはいいけど、これからどうするか」", "208000511_19": "「和装型ギアでは、アームドギアが弓矢になるんだよな」", "208000511_20": "「どこかで、弓矢の練習ができればいいんだけど……」", "208000511_21": "「あれ? こんなところで会うなんて奇遇だね。\\n こんにちは、クリス」", "208000511_22": "「よう、今日はあのバカと一緒じゃないんだな」", "208000511_23": "「今日は別々。何か考え事をしてたみたいだけど\\n 何か困ったことでもあったの?」", "208000511_24": "「う、……そんなにわかりやすかったか?\\n 悩んでるって程でもないんだけどな……」", "208000511_25": "「フフ、見ればわかるよ。\\n わたしで力になれるかな?」", "208000511_26": "「じゃあ……、知り合いに弓矢に詳しいやつとかいないか?」", "208000511_27": "「弓矢?\\n うちの学校に弓道部があるけど、そこはどう?」", "208000511_28": "「弓道部か……。そういや、あったな」", "208000511_29": "「部長さんと知り合いだから、紹介してあげるッ!」", "208000511_30": "「あ、ああ……」", "208000511_31": "「ええっと、この人が弓道部の部長さんで、\\n こっちは――」", "208000511_32": "「雪音……クリスだ……」", "208000511_33": "「弓道部に体験入部したいんだってね。よろしく」", "208000511_34": "「よ、よろしく……」", "208000511_35": "「じゃあ、あとは2人で――」", "208000511_36": "「……」", "208000511_37": "「……と、思ったけど、わたしも少しだけ\\n 見学していっていいかな」", "208000511_38": "「どうぞどうぞ。じゃあ、まず射形からやってみようか」", "208000511_39": "「しゃ、射形?」", "208000511_40": "「射形っていうのは射法八節といって……」", "208000511_41": "「くッ、またハズレた……。\\n さっきから全然、的に当たらない……」", "208000511_42": "「最初はそんなものだよ。\\n 筋はいいけど、射形も乱れてるみたいだし」", "208000511_43": "(撃ちたいように撃てないってのはムズムズする。\\n 弓道ってのは思ってた以上に難しいんだな……)", "208000511_44": "(でも、和装型ギアの強化のためには……)", "208000511_45": "「なんだか、我慢してない?」", "208000511_46": "「い、いや、別に……。\\n ちゃんと、習った形のとおりにしてるだけだ」", "208000511_47": "「うーん……。それもいいけど、\\n クリスはクリスらしく射ればいいんじゃないかな」", "208000511_48": "「あたしらしく、って……。\\n それだと形とか無茶苦茶になるぞ」", "208000511_49": "「無茶苦茶なほうがクリスらしくてかっこいいよッ!」", "208000511_50": "「はあ? なんだよそれ。\\n でも、じゃあ、1回だけ……」", "208000511_51": "(あたしらしく、矢を射る……。\\n あれは的じゃない、くそったれな敵だッ!)", "208000511_52": "「持ってけ、全部だ――ッ!」", "208000511_53": "「……よしッ! 見ろ、全弾命中だッ!」", "208000511_54": "「すごいよ、お見事ッ!」", "208000511_55": "「な、なんで……あんな射形でッ!?」", "208000511_56": "「あ……。悪い、せっかく教えてもらったのに……」", "208000511_57": "「……ちょっとびっくりしたけど、いいのよ。\\n ちゃんとした大会であれをやったら大目玉だろうけど」", "208000511_58": "「やっぱそうか……。\\n ……ん?」", "208000511_59": "「あたしの端末だ」", "208000511_60": "「……わかった、すぐに行く」", "208000511_61": "「悪い、急用だッ!\\n 今日はありがとな」", "208000511_62": "「ええ。よかったらまた遊びに来てね」", "208000511_63": "「……本部から?」", "208000511_64": "「ああ、近くにアルカ・ノイズが出現したらしい。\\n あたしたちで倒しにいくぞ」", "208000511_65": "「……さっきは、おかげで大切なことに気づけた」", "208000511_66": "「大切なことって?」", "208000511_67": "「そんなの決まってるだろ」", "208000511_68": "「あたしはあたしらしく、難しいことは考えず、\\n 目の前の連中にぶっ放せばいいってことだッ!」" }