{ "364000541_0": "「――ユミ、怪我の具合はどうなの?」", "364000541_1": "「心配しすぎだって。\\n メックの頑丈さは知ってるでしょ?」", "364000541_2": "「それでも無理は禁物ですよ?\\n ――ともあれ、今回は作戦が成功してよかったですわ」", "364000541_3": "「うん……」", "364000541_4": "「怪物化した人たちは、\\n 全員無事にアプトン社に搬送できたそうですね」", "364000541_5": "「うん、収容スタッフもすぐ来てくれたし」", "364000541_6": "「司令ってば、丸良社長のこと煙たがっていたのに、\\n きちんと連携は取ってくれてたんだね」", "364000541_7": "「うだつの上がらない\\n さなぎマンじゃ終わらないってことですかね」", "364000541_8": "「それにしても、ますますノーブルレッドたちのことが\\n 分からなくなったわ」", "364000541_9": "「そうだね……」", "364000541_10": "「ミラアルク、仲間の手を汚したくないって言ってた……」", "364000541_11": "「エルザさんは、戦いに巻き込まれそうになった子供を、\\n 助けてくれましたわ」", "364000541_12": "「ヴァネッサは、怪物化した人たちを救いたいって――」", "364000541_13": "「やっぱり、殺したくて殺してるんじゃない」", "364000541_14": "「きっと何か、事情が――」", "364000541_15": "「そうなのかもしれない」", "364000541_16": "「だからって、好きにさせるわけにはいかないよ」", "364000541_17": "「それは、救えたかもしれなかった誰かの手を、\\n 離してしまうことになるんだから」", "364000541_18": "「…………」", "364000541_19": "「そういえばさ、わたしって前に、\\n メックヴァラヌスに呑まれて怪物になりかけたじゃん?」", "364000541_20": "「じゃん? って、そんな楽しい想い出みたいにッ!」", "364000541_21": "「――確かに、あれも怪物化と言えば怪物化ですね」", "364000541_22": "「もし、わたしがあのまま完全に怪物になって、\\n 元に戻らなくなったら――」", "364000541_23": "「そしてわけも分からなくなってユミとテラジに襲い掛かったら、\\n どうなってたのかなって……」", "364000541_24": "「わたしは2人を傷つけるくらいなら死んだほうがマシ。\\n 2人はちゃんと、わたしを止めてくれる……?」", "364000541_25": "「止めるってつまり……」", "364000541_26": "「それは……」", "364000541_27": "「分からないよ……あたしには、そんなこと……」" }