{ "350001052_0": "「倒れろ――倒れてくれッ!」", "350001052_1": "「くッ……まだ――ッ!」", "350001052_2": "「こんな戦い無意味ッ!\\n 1人じゃ、ララたち2人に勝てないッ!」", "350001052_3": "(――わかってる。でも、わたしは退けない。\\n この戦いだけは、退くわけにはいかないッ!)", "350001052_4": "「スターリットにも託されたんだ……。\\n この力で、変えてほしいって。――大切な人をッ!」", "350001052_5": "「いい加減にしろッ! なんでそこまで戦い続けるんだよッ!\\n 嘘でもはいって言えばいいだろうがッ!」", "350001052_6": "「それだけで……また一緒にいられるじゃねーかッ!」", "350001052_7": "「もう、曲げられないから。曲げちゃいけないから。\\n 未来の信じたわたしにだけは、嘘をつけないんだッ!」", "350001052_8": "「この、バカヤローが――ッ!!」", "350001052_9": "「うぐッ……」", "350001052_10": "「ヒビキッ! 大丈夫ッ!?」", "350001052_11": "「だから言っただろうが――」", "350001052_12": "「――ッ!?」", "350001052_13": "「クソ、まだこんな力が――ッ!?」", "350001052_14": "「おおおおおおおッ!!」", "350001052_15": "「はあッ、はあッ……。\\n 2人の言う通り、今のわたしじゃ、みんなを止められない……」", "350001052_16": "「……ヒビキ……」", "350001052_17": "「くそ……行くな……」", "350001052_18": "「だけど、絶対に止めてみせる。\\n それが、あの子たちへの償いだ……」", "350001052_19": "「今までありがとう。\\n ――さよなら」", "350001052_20": "「想像以上の力だ。\\n 興味深い」", "350001052_21": "「しかし、エレクライトを使っている限り、\\n T.E.C.からは逃れられない」", "350001052_22": "「計画にはなんら、支障はない――」", "350001052_23": "「これでよかったんだよね、未来……」", "350001052_24": "「なんのこと?」", "350001052_25": "「え……?」", "350001052_26": "「どうしたの、響。もう授業終わったよ?」", "350001052_27": "「未来……あれ?\\n わたし、寝てた……?」", "350001052_28": "「うん、ぐっすり。\\n ほら、そろそろ帰ろう?」", "350001052_29": "「うん、帰ろう」", "350001052_30": "(そうだ……わたし、こんな風にずっと――)", "350001052_31": "「あ、翼さん」", "350001052_32": "「え?」", "350001052_33": "「立花と小日向か。相変わらず仲がいいな」", "350001052_34": "「はい、おかげさまで」", "350001052_35": "「それは結構なことだ。\\n ああ、立花。今日の訓練は少し厳しいぞ?」", "350001052_36": "「はい、大丈夫です」", "350001052_37": "「いい返事だ。では後ほど二課で会おう」", "350001052_38": "(未来がいて、翼さんがいて、二課の人たちも――。\\n 温かくて優しい、わたしの居場所――)", "350001052_39": "「――もう、無くなってしまったわたしの居場所」", "350001052_40": "「……身体中が痛い……。\\n やっぱり夢、か……」", "350001052_41": "「また、独りきりになっちゃった――」", "350001052_42": "(こっちが夢で、あっちが現実なら、\\n どんなによかったか……)", "350001052_43": "「雨……冷たい。\\n それに、少し寒いな……」", "350001052_44": "(世界は、こんなにもわたしに冷たくて、厳しい……。\\n だって、わたしはすべての世界の敵だったから……)", "350001052_45": "(でも、立ち上がらないと……。\\n わたしは、もう一度歩き出さなきゃいけないんだ……)", "350001052_46": "「T.E.C.の標的になっている世界を護る。\\n これ以上、新たな犠牲なんて出させない……」", "350001052_47": "「それが、失った――、\\n ううん、奪ってしまった命への償いなんだ……」", "350001052_48": "――第3章に続く" }