{ "345000121_0": "「調の容態はどうなのッ!?」", "345000121_1": "「医療スタッフの話では何かの薬品を注入され、\\n 眠らされてしまっているようです」", "345000121_2": "「…………」", "345000121_3": "「命に別状はありません」", "345000121_4": "「ですが、薬品の成分が不明で、\\n 現状は調さんの覚醒を待つしか……」", "345000121_5": "「……そう」", "345000121_6": "「……それで、切歌は?」", "345000121_7": "「依然として、行方不明のままだ」", "345000121_8": "「今、捜索範囲を広げて探してはいるが、\\n 手がかりも掴めていない状況でな……」", "345000121_9": "「すみません……、\\n 私が妨害電波を考慮して、撤退の指示を出していれば……」", "345000121_10": "「あの状況じゃ仕方ないさ。\\n 俺も同じことをしたと思うし」", "345000121_11": "「とにかく、今は切歌くんの捜索に集中するんだ」", "345000121_12": "「はいッ!」", "345000121_13": "「月読たちが襲撃されてから丸1日経ってるというのに、\\n 敵の姿すら見えていないとは」", "345000121_14": "「立花たちもリディアンへは登校しているが、\\n 気が気じゃなさそうだったな」", "345000121_15": "「こんな状況だもの、当然でしょう」", "345000121_16": "「戦闘中の映像を解析していますが、\\n 妨害電波の影響で、乱れた映像の復元が難しく……」", "345000121_17": "「待ってくださいッ! これは――」", "345000121_18": "「どうした?」", "345000121_19": "「似てる……ギャラルホルンのゲートの反応に……」", "345000121_20": "「調ちゃんと切歌ちゃんが襲われた地点から、\\n ギャラルホルンに似た反応があります」", "345000121_21": "「なんだとッ!?」", "345000121_22": "「……本当だ。わずかにですが、間違いないかと……」", "345000121_23": "「それじゃ、まさか切歌さんは……」", "345000121_24": "「並行世界へ、連れ去られた……?」", "345000121_25": "「くッ……それが本当だとしたらまずいぞ」", "345000121_26": "「ギャラルホルンを介さずに並行世界を移動されたら、\\n 何処の世界へ行ったかわかりません……」", "345000121_27": "「そんな……」", "345000121_28": "「何か、他に手がかりは……」", "345000121_29": "「失礼します」", "345000121_30": "「どうした?」", "345000121_31": "「司令に会いたいという方がいらっしゃっています。\\n 訪問の予定は伝えていると」", "345000121_32": "「そうか、もうそんな時間か」", "345000121_33": "「む、待てよ……彼ならもしや……。\\n ここへ通してくれ」", "345000121_34": "「わかりました」", "345000121_35": "「彼?」", "345000121_36": "「ああ、この状況で助けになってくれるかもしれない人物だ」", "345000121_37": "「もしかして――」", "345000121_38": "「そう、世界蛇討伐の際に協力し合った組織、\\n スクルドのユリウス氏だ」", "345000121_39": "「失礼する」", "345000121_40": "「約束の時間よりも少々早いが、迷惑だったか?」", "345000121_41": "「構わない。それよりも来て早々申し訳ないのだが、\\n 協力してもらえないだろうか?」", "345000121_42": "「協力?\\n 何かあったのか?」", "345000121_43": "「実はな――」" }