{ "317000512_0": "「ふぅ、お疲れ様。\\n ごめんなさい、急に誘ってしまって」", "317000512_1": "「別に、暇してたからな」", "317000512_2": "「やっぱり、ジュエル型アルカ・ノイズとは\\n 戦いづらそうだったな」", "317000512_3": "「ええ、あなたのようにガンガン攻められたらいいんだけれど」", "317000512_4": "「お疲れ様。\\n 訓練の様子を見させてもらっていたわ」", "317000512_5": "「ギアの知識が私にあれば、今までの研究と合わせて\\n なんとかできたのかもしれないけど……、ごめんなさい」", "317000512_6": "「気にすることはないわ。ギアのことはエルフナインでも\\n わからないことだらけだって言うし」", "317000512_7": "「2人とも、お疲れ様。\\n 冷たい飲み物を用意したからどうぞ」", "317000512_8": "「お、ありがとな」", "317000512_9": "「ん、あいつは?」", "317000512_10": "「エルフナインの研究室で検査を受けてるよ。ずっと一緒じゃ\\n なくても、少しならわかってくれるようになったみたい」", "317000512_11": "「……私は、そろそろ戻るわね」", "317000512_12": "「あの、やっぱりカーバンクルに会いませんか?\\n あなたはずっとそのために――」", "317000512_13": "「いいのよ、もう。\\n 今あの子は楽しそうに生活しているんだもの」", "317000512_14": "「それに、私のことなんてもう覚えてないかもしれない。\\n だから、私はこのままで――」", "317000512_15": "「キュ? キュキューッ!」", "317000512_16": "「わッ!? ど、どうして……」", "317000512_17": "「キュー、キュー、キュー……」", "317000512_18": "「ごめんなさいッ! また急に暴れだしてしまって……」", "317000512_19": "「……私のことを覚えているの?\\n あんなに昔のことなのに……」", "317000512_20": "「キューキューッ!」", "317000512_21": "「覚えていてくれたのね……。\\n ありがとう、覚えていてくれて……ありが、とう……」", "317000512_22": "「あなたのことを救うことができなかった……。\\n なのにあなたは、昔と変わらず、私に……」", "317000512_23": "「キュー? キュイキュイ……」", "317000512_24": "「フフ、なめたらくすぐったい……くすぐったいよ……」", "317000512_25": "「キューッ!」", "317000512_26": "(あ、カーバンクルが、額の宝珠をくっつけて……)", "317000512_27": "「ごめんなさい。つい嬉しくて……。\\n もう落ち着いたから平気よ」", "317000512_28": "「キュー、キュイキュイ……」", "317000512_29": "「も、もうなめなくて大丈夫よ、泣いてないから。\\n そんなことされたら、また泣きそうになっちゃうわ」", "317000512_30": "「本当にその子のことを大切に思っていたんですね」", "317000512_31": "「ええ、もちろんよ。\\n 私も姉もこの子のことが大好きだったから……」", "317000512_32": "「本当の家族のように過ごしていたわ。\\n ……それこそ、今のあなたたちのように」", "317000512_33": "「宝珠をくっつけるあの仕草はね、\\n カーバンクルの親愛の証なのよ」", "317000512_34": "「あ、わたしもクリスも、同じことをされました」", "317000512_35": "「フフ、やっぱり」", "317000512_36": "「ひょっとしたら、それが心象変化の鍵なのかもしれません」", "317000512_37": "「互いに心を開いて親愛の証を示すことで、\\n 心象に変化が起きる……」", "317000512_38": "「なるほど。おもちゃで遊ぶ程度では、\\n 本当に心を通わせたとは言えないものね」", "317000512_39": "「あのギアは親愛の証か……、\\n なんか、ちょっとむずむずするな……」" }