{ "317000111_0": "赤い宝石と可愛い獣", "317000111_1": "(S.O.N.G.に呼ばれたから今日は遅くなる、か……。\\n 響が一緒じゃないと、寮までの道のりも遠く感じちゃうな)", "317000111_2": "(でも、響は装者の1人として頑張ってるんだから、\\n 仕方ないよね……)", "317000111_3": "「そうだッ! きっと疲れて帰ってくるだろうし、\\n 元気の出るものを作ろうかな」", "317000111_4": "「たくさん食べるだろうから、\\n 多めに買って――」", "317000111_5": "「きゃあッ!?」", "317000111_6": "「うう……」", "317000111_7": "「だ、大丈夫ですかッ!?\\n ……ッ!」", "317000111_8": "「怪我をしてるじゃないですかッ!\\n すぐに救急車を――」", "317000111_9": "「私のことはいいから……、\\n あなたは早くここから離れて……ッ!」", "317000111_10": "「それはどういう――」", "317000111_11": "「アルカ・ノイズッ!?」", "317000111_12": "「くッ、もう追いついてきたのね……」", "317000111_13": "「あなたは早く逃げてッ!\\n ここは私が……」", "317000111_14": "「1人で逃げるなんてできませんッ!\\n 走れないなら、肩を貸しますからッ!」", "317000111_15": "「でも……」", "317000111_16": "「こっちへ行けば抜けられるはずですッ!」", "317000111_17": "「……ありがとう」", "317000111_18": "(きっと響たちが助けに来てくれる。\\n それまでは、わたしがこの人を護らないとッ!)", "317000111_19": "「頑張ってください。助けは呼びましたから、\\n きっともうすぐ来てくれますッ!」", "317000111_20": "「はぁ、はぁ……」", "317000111_21": "(この怪我でこれ以上走るのは無理かもしれない。\\n こうなったら、わたしが背負って――)", "317000111_22": "「回り込まれたッ!?\\n こっちがダメなら、他の道を――」", "317000111_23": "「ダメ、完全に囲まれてる……」", "317000111_24": "「ここまでのようね……。\\n あなたを巻き込んでしまって、ごめんなさい……」", "317000111_25": "「謝らないでください。まだ諦めたらダメですッ!」", "317000111_26": "(わたしにも響たちのように戦う力があれば、\\n この人を護ることができるのに……)", "317000111_27": "「わたしには、護れないの……?」", "317000111_28": "「はあああああ――ッ!」", "317000111_29": "「響――ッ!」", "317000111_30": "「おまたせ、未来ッ!\\n もう大丈夫だから、任せてッ!」", "317000111_31": "「うんッ!」", "317000111_32": "「このバカ、いくら心配だからって\\n 1人で突っ走り過ぎだッ!」", "317000111_33": "「アルカ・ノイズの相手はわたしたちがするッ!\\n 小日向は怪我人を連れて離れていてくれ」", "317000111_34": "「はいッ!」" }