{ "313000821_0": "「言っただろう? 時間を止めたのはオマエの願いだ」", "313000821_1": "「『ナツヤスミノシュクダイ』から逃げたいという、\\n オマエの望みに玉手箱が反応したのだッ!」", "313000821_2": "「……災厄が、そんな恐ろしいものだったなんて……」", "313000821_3": "「響……?」", "313000821_4": "「あああああ……最恐すぎるよ……。\\n ごめん未来、わたし、もうダメかも……しれない……」", "313000821_5": "「響ッ!?\\n ねえッ! しっかりしてッ!」", "313000821_6": "「災厄……確かに恐ろしすぎるよ……」", "313000821_7": "「フハハハッ! だから言ったのだッ!\\n 開けられるものなら開けてみろとッ!」", "313000821_8": "「思ったとおりだッ!\\n 災厄を知った今、もうオマエは立ち上がれまいッ!」", "313000821_9": "「玉手箱は2度と開かないッ!\\n これで我らを閉じ込める者はいなくなった」", "313000821_10": "「おいッ! 大丈夫かッ!」", "313000821_11": "「助けにきたデスッ!」", "313000821_12": "「2人とも、無事ですか?」", "313000821_13": "「わたしは一応……でも、響がッ!\\n どうしよう、クリスッ! 響がこのままじゃ……」", "313000821_14": "「まさか、やられたのかッ!?」", "313000821_15": "「うう……勝てないよ……」", "313000821_16": "「……ん?\\n どこも怪我はないように見えるけどな……」", "313000821_17": "「きっと精神的な攻撃を受けたんデスよ。\\n ゲームとかだと、物理より厄介な攻撃デスッ!」", "313000821_18": "「うん、何か大きなショックを受けたみたい……」", "313000821_19": "「新手か。だが遅かったなッ!\\n 既にその者の心は折られたッ!」", "313000821_20": "「おいッ! こいつに何をしたッ!」", "313000821_21": "「何かしたわけではない。勝手に屈服したのだ。\\n 最恐の災厄『ナツヤスミノシュクダイ』になぁッ!」", "313000821_22": "「デデデデースッ!?」", "313000821_23": "「夏休みの……宿題ッ!?」", "313000821_24": "「なんの冗談だよッ!?」", "313000821_25": "「それが、冗談じゃないのッ!\\n あのね――」", "313000821_26": "「ってことがあったの。つまり時間のループの原因は――」", "313000821_27": "「こいつが夏休みの宿題をやりたくないからってことか……」", "313000821_28": "「まさかの原因デース……」", "313000821_29": "「事実は小説よりも奇なりだね……」", "313000821_30": "「…………バカかッ!」", "313000821_31": "「もう、そんなこと言わないの。\\n 響だって真剣なんだから」", "313000821_32": "「はあ……もういい。\\n とにかくその箱をぶっ壊せばいいんだろッ!」", "313000821_33": "「派手に行くデースッ!」", "313000821_34": "「うんッ!」", "313000821_35": "「待てッ!\\n 無理に壊せば何が起きるか我にもわからん」", "313000821_36": "「ただ間違いなく、オマエタチもただではすまないぞ」", "313000821_37": "「……仕方ねー。なら、開けるのは後だッ!\\n 箱を持って逃げるぞッ!」", "313000821_38": "「ク、クリスッ!?」", "313000821_39": "「逃げるが勝ちデスッ!」", "313000821_40": "「戦略的撤退」", "313000821_41": "「無駄だというのがまだわからないのか……」" }