{ "313000631_0": "「――時間が進んでないッ!?」", "313000631_1": "「あ、疑ってるッ!\\n クリスちゃん、ものすごく信じてないッ!」", "313000631_2": "「おいおい、あたしが悪いみたいにいうな」", "313000631_3": "「時間がどうのとか、さすがにちょっとぶっ飛びすぎな与太話だろ。\\n どうすれば信じられるんだ」", "313000631_4": "「わかる……」", "313000631_5": "「お前らはどうだ?」", "313000631_6": "「うーん、アタシは何もおかしなことは感じないデスね」", "313000631_7": "「うん、繰り返してないと思う」", "313000631_8": "「そうだよね……」", "313000631_9": "「それじゃ、これならどうかな?」", "313000631_10": "「ん? なんだ?」", "313000631_11": "「今日は夕食時に魚人が現れたでしょう。\\n だから、まだお互いに今日の報告をしてないよね」", "313000631_12": "「わたし、クリスたちに何が起きたのか知ってるんだ」", "313000631_13": "「なるほど、それを答えられたら、証拠としては悪くないな」", "313000631_14": "「今日、クリスは切歌ちゃんたちの訓練のために溺れようとして、\\n 水着が波で流されたよね?」", "313000631_15": "「な、なんで知ってるんだッ!?」", "313000631_16": "「昨日も一昨日も聞いたから」", "313000631_17": "「まさか毎日脱いでたなんて……すっかりサービス要員デスね」", "313000631_18": "「リディアンでも、クリス先輩ファンクラブがあるとかないとか……」", "313000631_19": "「バカなこと言ってんなッ!」", "313000631_20": "「なんにしても、信じるしかないデスね」", "313000631_21": "「うん。あの場所にはわたしたちとクリス先輩しかいなかったし、\\n 2人とも嘘を言うような人じゃないもの」", "313000631_22": "「……まあいいか、確かに信じるしかないみたいだな」", "313000631_23": "「どうせ、クリス先輩、確認なんてしなくても、\\n 初めから2人を信じるつもりだったんデスよね?」", "313000631_24": "「うるせーッ!」", "313000631_25": "「と、とにかく原因はその玉手箱ってやつなんだろ?\\n なら、そいつを調べれば手がかりがつかめるんじゃないか?」", "313000631_26": "「それじゃあ、明日朝一番に全員で調べに行こうッ!」", "313000631_27": "「響、起きてる?」", "313000631_28": "「おはよう、未来。時計は……やっぱり日付が進んでない」", "313000631_29": "「時間が巻き戻ってるのは、疑う余地がないみたい」", "313000631_30": "「でも、それも今日までだよ」", "313000631_31": "「今日は朝一で、みんなであの洞窟を調べるんだから。\\n この異常を解く手がかりはきっとそこにある」", "313000631_32": "「それなんだけど」", "313000631_33": "「え? どうかしたの?」", "313000631_34": "「やっと起きたか」", "313000631_35": "「おはようございます」", "313000631_36": "「おはようデースッ!」", "313000631_37": "「みんな、起きてきたね。それじゃ朝食にしようか」", "313000631_38": "「モーニングデスッ! 朝の食事はパワーの源デスよ」", "313000631_39": "「切ちゃん、テーブルに身を乗り出すのは、はしたないよ」", "313000631_40": "「ご、ごめんなさいデス……」", "313000631_41": "「これ、見覚えのある光景なんだけど」", "313000631_42": "「わたしたち以外の人の時間は巻き戻っちゃったみたい」", "313000631_43": "「あのさ、未来……今更だけど、朝になったら忘れるなら、\\n 夜に話をしても意味なかったんじゃ……」", "313000631_44": "「……うん、考えてみたらそうだよね」", "313000631_45": "「また説明しなおさないと……」", "313000631_46": "「またかあ……はぁ……」" }