{ "313000622_0": "「ったく、魚のくせに、せっかくの晩飯を邪魔しやがって」", "313000622_1": "「食べ物の恨みは怖いのデスッ!アタシのジャンボハンバーグを\\n 食べる楽しみを邪魔した恨み……全部ぶつけてやったデスッ!」", "313000622_2": "「さて、戻って晩飯の続きだ」", "313000622_3": "「早く戻らないとハンバーグが冷めちゃう」", "313000622_4": "「冷めたら美味しくなくなるデスかッ!?」", "313000622_5": "「そういえば――」", "313000622_6": "「戦ってる最中も、珍しく静かだったよな」", "313000622_7": "「…………」", "313000622_8": "「体調でも悪いのか? だったら無理はしないほうが――」", "313000622_9": "「大丈夫、何もないよ。わたしも、響も」", "313000622_10": "「………………」", "313000622_11": "「そうか」", "313000622_12": "「う……、一生の不覚デスッ! ここのご飯が美味しすぎて、\\n お腹パンパンになるまで食べ過ぎてしまったデスよ……」", "313000622_13": "「切ちゃん、限度を考えずに食べるから」", "313000622_14": "「……さて、それじゃあ寝る前にやることをやらないとな」", "313000622_15": "「寝る前に……」", "313000622_16": "「やるべきこと……」", "313000622_17": "「それは、つまり……まさか」", "313000622_18": "「デデデデース。最強の敵が……とうとう現れたデス」", "313000622_19": "「はあ……」", "313000622_20": "(……やっぱり、白紙に戻ってる)", "313000622_21": "「響、ちょっと」", "313000622_22": "「う、うん」", "313000622_23": "「おい、宿題は――」", "313000622_24": "「すぐ戻るから、ちょっとだけ待って」", "313000622_25": "「行ってしまいました」", "313000622_26": "「やっぱり、なんだか様子がおかしいデス」", "313000622_27": "「わたしと響以外、\\n ずっと同じ日を繰り返していることに気づいていない」", "313000622_28": "「今日は昨日と同じ、昨日は一昨日と同じ、\\n 多分島に来た次の日から……ずっと」", "313000622_29": "「やっぱりそうだよね……」", "313000622_30": "「……ああッ!」", "313000622_31": "「ど、どうしたのッ!?」", "313000622_32": "「ちょっと待って、1日がずっと繰り返すってことは……、\\n それはつまり――」", "313000622_33": "「うん、そうだよ」", "313000622_34": "「ずっと夏休みが終わらないってこと?\\n 宿題もやらなくてもいいッ!?」", "313000622_35": "「響ッ! もうッ! 真面目に考えてッ!」", "313000622_36": "「じょ、冗談だってば」", "313000622_37": "「でも、どうしてわたしと未来だけ?」", "313000622_38": "「玉手箱の話、覚えてる?」", "313000622_39": "「時を閉じ込めるって話があったよね。\\n あの時触った箱が玉手箱だったんじゃないかな」", "313000622_40": "「だから、わたしと未来だけ……」", "313000622_41": "「うん、わたしもそう思う、絶対そうだよッ!」", "313000622_42": "「それじゃあ、次はどうしたらいいと思う?」", "313000622_43": "「わたしたちだけで解決するのは難しそうだし、\\n とりあえず、クリスちゃんたちに知らせようッ!」", "313000622_44": "「うん、まずはそれだね」", "313000622_45": "「魚人も一緒に片付けられればいいけど……」", "313000622_46": "「魚人……」", "313000622_47": "(1日が繰り返してる中で、\\n 魚人が現れるタイミングはバラバラだった)", "313000622_48": "(多分、魚人も、わたしや響と同じように、\\n 繰り返される時の外にいる存在ってことなのかな)" }