{ "305000222_0": "「こいつは――ただのノイズではないッ!?」", "305000222_1": "「それに攻撃も……重いッ!」", "305000222_2": "「ちょこまかと……くそッ、当たらねぇッ!\\n なんなんだよこの速さはッ!」", "305000222_3": "「バラバラに攻めていたのでは埒が明かない、\\n 3人で合わせて行くぞッ!」", "305000222_4": "「ええッ!」", "305000222_5": "「あたしが弾幕で追い込むッ! やってやれええッ!」", "305000222_6": "「は――ッ!」", "305000222_7": "「はあああッ!」", "305000222_8": "「やったかッ!」", "305000222_9": "「ふぅ、ふぅ……どうやら、仕留められたな」", "305000222_10": "「はぁ、はぁ……それは?」", "305000222_11": "「なんだ、この奇妙な欠片は……先ほどのノイズが\\n 落としたのか?」", "305000222_12": "「それ、なんだか不思議な感じがするな。\\n あからさまに怪しいじゃねーか」", "305000222_13": "「今のノイズの異様な強さもそうだけれど、\\n 今回の異変と関係があるかもしれないわ」", "305000222_14": "「回収して持ち帰ろう。そろそろ陽も落ちる。一度、戻るか」", "305000222_15": "「そうね、今回はいろいろと準備も足りていないし。\\n 戻って欠片を分析に回しましょう」", "305000222_16": "「泊まれそうなとこもねーしな」", "305000222_17": "「決定だ。正体不明の欠片を回収、帰投しよう」", "305000222_18": "「――という状況です」", "305000222_19": "「奇妙な音か……それも気になるが、欠片というのは?」", "305000222_20": "「回収した欠片は、ここに」", "305000222_21": "「これはいったい……」", "305000222_22": "「ちょっと見せて頂いても良いですか?\\n これは……ッ!」", "305000222_23": "「何かわかる?」", "305000222_24": "「恐らくですが、これはなんらかの聖遺物の欠片だと思われます」", "305000222_25": "「なんだとッ!?」", "305000222_26": "「そんなもんがなんでノイズに……?」", "305000222_27": "「わかりません。\\n けれど、この聖遺物の特性と関係があるものだと推測されます」", "305000222_28": "「今回の異変にも関係するものかもしれません。\\n もう少し、ボクに調べさせて貰えますか?」", "305000222_29": "「ええ、お願い」", "305000222_30": "「ただいま。調、切歌」", "305000222_31": "「もう戻ってきたデスかッ!?」", "305000222_32": "「何も無かったんだ?」", "305000222_33": "「あったわ。色々とね。準備を整えて、また調査に向かう予定よ」", "305000222_34": "「そうデスか。でも、せっかく戻ってきたんだから、\\n その辺の話は一緒にごはんを食べながら聞きたいデス」", "305000222_35": "「それがいいね、切ちゃん。\\n マリアの分も支度するから、少し待ってて」", "305000222_36": "「ありがとう、2人とも」", "305000222_37": "「それにしても本当に良かったのかしら?\\n 学生でもないわたしが、この部屋に泊まって……」", "305000222_38": "「ちゃんと許可を貰ってるから、問題ないデスよ」", "305000222_39": "「うん」", "305000222_40": "「デ、デスッ!?\\n 海の中に何かいるのデスッ!」", "305000222_41": "「じー……」", "305000222_42": "(こうして3人でゆっくり映画を見る時間が持てるのは\\n 良いものね……)", "305000222_43": "「舵がまるで効かねぇッ! ど、どうすりゃいいんだよッ!」", "305000222_44": "「ボートで脱出だッ! このままお陀仏よりはマシだろッ!」", "305000222_45": "「海は、海は危ないのデス――ッ!」", "305000222_46": "「じー……」", "305000222_47": "「ラ……ラ……ラ……ッ!」", "305000222_48": "「デデデデースッ!?\\n でたデスッ! セイレーンデスよッ!」", "305000222_49": "「じー……」", "305000222_50": "(歌声で船人を惑わす魔物、セイレーンか……。\\n 随分と古典的な映画ね)", "305000222_51": "(……向こうの世界であった、あの唸り声のような音。\\n あれがノイズを呼び寄せ、人に害をなすものだとしたら――)", "305000222_52": "(――まるでセイレーンの歌声みたいね)", "305000222_53": "「ボ、ボートまで引き寄せられて……ッ!\\n 何なんだよこの声はッ! あ、ああ……うわああああああッ!」", "305000222_54": "「デースッ! も、もうダメデスーッ!」", "305000222_55": "「じー……」" }