{ "346000131_0": "(……前はノイズが憎くて戦ってた。\\n わたしが独りになったのは、ノイズが原因だったから……)", "346000131_1": "(こんな力なんていらない、なかった頃の自分に戻りたい。\\n ずっとそう思いながら、ただ怒りのままに拳を叩きつけてた)", "346000131_2": "(それが、わたしの唄う歌だったんだ――)", "346000131_3": "「――だけどッ! 今は違うッ!」", "346000131_4": "「この力……シンフォギアの力があるから、\\n わたしは自分と、周りの誰かを護れるんだッ!」", "346000131_5": "「もう、独りきりになったりしないッ!」", "346000131_6": "「……どれだけ数がいたとしてもッ!\\n わたしがいる限り、誰にも手出しはさせないッ!」", "346000131_7": "「全部まとめて倒し――、", "346000131_8": " なッ!?」", "346000131_9": "(後ろにも敵が――ッ!?)", "346000131_10": "「――大丈夫か、立花ッ!」", "346000131_11": "「遅くなった。\\n だが、遅参の不名誉は、この剣で晴らさせてもらう」", "346000131_12": "「翼さん……」", "346000131_13": "(そうだ、わたしには二課で一緒に戦う仲間――\\n 翼さんがいるんだ……)", "346000131_14": "「これのおかげで、なんとか間に合ったな」", "346000131_15": "「空飛ぶ……スケボー?」", "346000131_16": "「フライボード。司令の新作だ」", "346000131_17": "「なるほど。\\n フォロー、ありがとうございます」", "346000131_18": "「いや、礼などいい。\\n ……同じ炎を燃やす戦友なのだから」", "346000131_19": "「立花の背中はわたしが護ろう。\\n わたしの背中は、立花に任せるッ!」", "346000131_20": "「そんな、恥ずかしいセリフを堂々と……」", "346000131_21": "「む、何か言ったか……?」", "346000131_22": "「いいえ、なんでもないです。\\n でもわかりました。頼りにしてます」", "346000131_23": "「こちらこそな。では――行くぞッ!」", "346000131_24": "「はいッ!」", "346000131_25": "(……頼もしいな。どうして最初から、\\n わたしは翼さんと一緒に戦えなかったんだろう……)", "346000131_26": "(……わかってる。全部、わたしのせい。1人が嫌なのに、\\n 1人になるのが怖かったから、誰も近づけさせなかった……)", "346000131_27": "「だけど、今は……」", "346000131_28": "(……立花。以前は力を無意味に振るうだけで、\\n 戦場をただ混乱させる要因だった――)", "346000131_29": "(――いや、そう見えていた。\\n どこまでも未熟なわたしの目には……)", "346000131_30": "(彼女が戦場に現れたのは、混乱させるためではない。\\n ノイズへの怒りだけでもない――)", "346000131_31": "(無意識にでも、誰かを護ろうとしていたのだろう。\\n 立花の人となりを知れば知るほど、そう思える)", "346000131_32": "(……わたしは、立花の助けにはなれなかった。\\n 同じ世界、同じ場所に生きていたというのに……)", "346000131_33": "(立花を救ったのは、小日向だ。彼女のように、相手を信じて\\n 手を差し伸べる度量を、わたしは持っていなかった)", "346000131_34": "(……奏に怒られてしまうな。\\n わたしが先達として、立花を導かなくてはならなかったのに)", "346000131_35": "(わたしの前を歩き、手を引いてくれた奏……。\\n 今度こそ、わたしは奏のように――)" }