{ "366000511_0": "邪なる聖闘士の毒牙ッ!", "366000511_1": "「チェーンよ……」", "366000511_2": "「氷河たちは向こうに行ったみたいだ」", "366000511_3": "「そんなことまでわかるのか」", "366000511_4": "「アンドロメダ星座の聖衣には攻撃・探索性能を持つ角鎖と、\\n 防御性能を持つ円鎖がそれぞれ備わっているんだ」", "366000511_5": "「へえ。便利なもんだな」", "366000511_6": "「ただ……、いいのか?」", "366000511_7": "「え、なにが?」", "366000511_8": "「分かってんだろ。\\n このまま行けば、仲間と戦うことになるんだぞ」", "366000511_9": "「……大丈夫。\\n 紫龍を、そして氷河も助け出さないと」", "366000511_10": "「星矢っていう、もう1人の仲間と\\n 先に合流した方がいいんじゃないのか?」", "366000511_11": "「ううん、星矢の状況もわからないし、\\n 今は急いだ方がいいと思う」", "366000511_12": "「……ここに、にいさんがいればよかったんだけどね」", "366000511_13": "「にいさん……、そういえばさっきも言ってたな」", "366000511_14": "「ごめん、今のは聞かなかったことにして。\\n 弱音なんて吐いたら、それこそにいさんに笑われちゃうよ」", "366000511_15": "「まあいいけど。\\n よっぽど仲のいい兄弟なんだな」", "366000511_16": "「……そう言われると、どうなんだろう」", "366000511_17": "「はあ?」", "366000511_18": "「修行中は長い間離れて暮らしていたし、\\n 今もたくさん話すことはあまり無いから」", "366000511_19": "「少し気難しくて、あまり誰かと一緒にいようとしないけど……、\\n 誰より優しくて、強い心を持った人なんだ」", "366000511_20": "「にいさんに心配をかけないためにも、\\n 全てを終わらせて無事に帰らないと」", "366000511_21": "「…………」", "366000511_22": "「キミは、兄弟はいるかい?」", "366000511_23": "「いや、そういうのはいない」", "366000511_24": "「だけど、あたしには放っておけない後輩と、\\n やっぱり放っておけない先輩がいる」", "366000511_25": "「だから、あたしも絶対帰らなくちゃいけないんだ」", "366000511_26": "「そうなんだね」", "366000511_27": "「……キミこそ、いいの?\\n 氷河のことはぼくたちの問題だ。キミが付き合う必要は――」", "366000511_28": "「さすがに今さらだろ。代わりに、そっちが片付いたら\\n バカを探すためにそのチェーンを使わせてもらうからな」", "366000511_29": "「……うん。きっとそうするよ」", "366000511_30": "「……チッ、またこいつらか」", "366000511_31": "「きっと、氷河が近い証拠だ」", "366000511_32": "「なるほどな。\\n だったら前菜は速攻で片付けるぞッ!」", "366000511_33": "「うん。そして氷河のもとへ!」" }