{
"364000711_0": "HELL'S GATE",
"364000711_1": "「それは確かなのねッ!?」",
"364000711_2": "「怪物が同時に3か所に発生したあの日、\\n 二課からアプトン社に、搬送の要請はしていないと」",
"364000711_3": "「したか、してないかで言うと、覚えてないッ!」",
"364000711_4": "「ただ、二課から連絡をした記録がないのは確かである」",
"364000711_5": "「それなのに、アプトン社は図ったようなタイミングで、\\n 過不足無い数の搬送車で現場に駆け付けた」",
"364000711_6": "「あたしが感じていた引っかかりは、このことよッ!」",
"364000711_7": "「うむう……」",
"364000711_8": "「それだけではありません。\\n 佐野さんのお兄さんの足取りを調べました」",
"364000711_9": "「ナナミンのお兄さんは、\\n 怪物化する直前にアプトン総合病院に行っていた」",
"364000711_10": "「ええいッ! 君たちは結局のところ、\\n 何が言いたいのかねッ!?」",
"364000711_11": "「ノーブルレッドは、怪物化現象を\\n 直接引き起こしているわけじゃないと思うんだ」",
"364000711_12": "「でも、それなら他に、\\n 怪物を発生させている誰かがいることになります」",
"364000711_13": "「そう、事件の真犯人が」",
"364000711_14": "「まさか君たちは、それが――」",
"364000711_15": "「ハハハハハ、勘弁してください」",
"364000711_16": "「お嬢さん方はまさか、\\n それをアプトン社が行っていると考えておいでですか」",
"364000711_17": "「丸良社長……ッ!」",
"364000711_18": "「経過報告に来てみれば……。\\n さすが、若い方々は空想力が豊かだ」",
"364000711_19": "「だったら、どうして\\n 報告も受けないうちから収容者の数を把握していたの?」",
"364000711_20": "「ちょっと待ちたまえッ!\\n 僕を差し置いて、話を進めようとするんじゃないッ!」",
"364000711_21": "「余計な責任問題を増やされるのは勘弁だ」",
"364000711_22": "「司令――ッ!」",
"364000711_23": "「いや、凪クン。少女たちの推理ゴッコが\\n 思わぬ繋がり方をしてしまっただけだ。私は気にしていないよ」",
"364000711_24": "「弁明をさせていただけるならば、アプトン社は被害者の\\n 治療に成果を出しているではありませんか」",
"364000711_25": "「そうね……書類上では……」",
"364000711_26": "「ただ、データだけじゃなく、治療中の人たちを\\n 見せてもらうことはできないかしら?」",
"364000711_27": "「実際に救った人たちがどうなっているか、見ておきたいの」",
"364000711_28": "「確かに、それは当然のことですね。\\n 気が回らなくて申し訳ありません」",
"364000711_29": "「六角くん、二課の皆さんの\\n 視察準備を進めておいてくれないか?」",
"364000711_30": "「承知しました」",
"364000711_31": "「用意ができましたら、あらためてご連絡を差し上げます。\\n これで宜しいでしょうか?」",
"364000711_32": "「ええ、ありがとう……」",
"364000711_33": "「社長、そろそろ……」",
"364000711_34": "「おっと、もうそんな時間か。\\n 凪クン、このデータを受け取ってくれたまえ」",
"364000711_35": "「うむ」",
"364000711_36": "「それではまた、お会いしましょう」",
"364000711_37": "「凪クンに任せておけばめったなことは起きないと思っていたが、\\n いやあ、彼は素晴らしい部下を持っているね」",
"364000711_38": "「早急に対処いたします」",
"364000711_39": "「フフ、私の秘書も、実に優秀だ」",
"364000711_40": "(佐野……。彼の怪物化症例は他のサンプルとは違うようだ。\\n 要因はおそらく……)"
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