{ "342000431_0": "「歌で戦うとは、驚きです。\\n しかし、そんなものは――」", "342000431_1": "「――♪ ――♪」", "342000431_2": "「……歌、そうだ。何か、引っかかって――」", "342000431_3": "「――綺麗で、優しい歌だな」", "342000431_4": "「くッ……歌、歌が――ッ!?」", "342000431_5": "(これは、なんの記憶……? いえ、誰の……?\\n わからない、こんなの知らない――ッ!)", "342000431_6": "「ジャネットッ!」", "342000431_7": "「なんだか知らないが、一気に決めてやるッ!」", "342000431_8": "「さあ、覚悟しな――ッ!」", "342000431_9": "「――待ってくれッ!」", "342000431_10": "「なッ!? どういうつもりだッ!?」", "342000431_11": "「もしかしたら、ジャンヌは私の知るジャネットに――」", "342000431_12": "「天使様も歌は――」", "342000431_13": "「うう……なんなのです……。\\n わたしの知らない記憶が――」", "342000431_14": "「聖女よ。お待たせいたしました」", "342000431_15": "「お前はッ! ジル・ド・レェッ!」", "342000431_16": "「ジル……わたしの記憶は――」", "342000431_17": "「オルレアンの乙女よ。神々の意志を地上へ示す代弁者よ。\\n 神の敵に惑わされてはなりません」", "342000431_18": "「神の、敵……」", "342000431_19": "「ええ、そうです。あなたを惑わす者は全て神の敵です。\\n 全ては偽り。神の力を封じんとする悪魔の奸計に過ぎません」", "342000431_20": "「心を強くお持ちください。\\n あなたはジャンヌ・ダルクなのですから……」", "342000431_21": "「そう、わたしはジャンヌ・ダルク……。\\n 全ての不条理を、断罪する者……」", "342000431_22": "「ジャネットッ! その言葉こそが偽りだッ!\\n ジャンヌは虚像ッ! ジャネットとしての自分を思い出せッ!」", "342000431_23": "「……黙りなさい、悪魔の僕よ。\\n そうやってわたしを謀り、命を奪ったのでしょう」", "342000431_24": "「ジル、あなたのおかげで助かりました。\\n ……神の敵を撃ち滅ぼす、わたしの軍勢をここへ」", "342000431_25": "「我が聖女の御心のままに」", "342000431_26": "「――天軍の栄えある総帥、大天使聖ミカエルの名の下に、\\n われらが頭上に、戦いの祝福があらんことを――」", "342000431_27": "「くッ!? これは自動人形が――」", "342000431_28": "「これこそが神の代弁者たる聖女の祝福を受けた、\\n わたしの部隊です」", "342000431_29": "「ジル、それに騎士たちよ。そちらの者は任せました」", "342000431_30": "「承りました、聖女よ。\\n ではあの者はこちらで片付けましょう」", "342000431_31": "「……わたしは、この剣でわたしを惑わすこの悪魔の僕を、\\n 直接断罪します」", "342000431_32": "「ジャネット……」", "342000431_33": "「……覚悟を決めろ。\\n もうあんたの声はあいつに届いちゃいない」", "342000431_34": "「迷いを抱えたまま戦える相手じゃないだろッ!」", "342000431_35": "「……そうだな。すまない。\\n 彼女は私が止める……いや、倒すッ!」", "342000431_36": "「頼んだよ。雑魚はこっちで引き受けた。\\n ……ご指名みたいだしね」" }