{ "404000131_0": "「世界蛇本体との戦い……ついに来るんだな。\\n 我々の祖先から続く、宿願を達成するときが」", "404000131_1": "「……ええ」", "404000131_2": "「厳しい戦いになるだろう……そう思うのに、\\n 不思議と以前ほどの恐怖を感じない。どうしてだろうな」", "404000131_3": "「それは……」", "404000131_4": "(きっと、ユリウスも『希望』を見出しているから。\\n わたしではなく、あの装者たちとそれを支える人々に――)", "404000131_5": "(……もっと早く、わたしが――)", "404000131_6": "「……少し前まで、装者といえば組織の飼い犬として、無理矢理\\n 特異災害と戦うのを強制された者たちしか知らなかった」", "404000131_7": "「自由意志も無く、ただ災害に対する対抗手段や兵器として\\n いいように育て上げられた人形。だが――」", "404000131_8": "「あの装者たちも、それを支える者たちも、強い意志を持ち、\\n 平和のために、人々のために戦っている」", "404000131_9": "「その力は、俺たちの知る装者とは別物だ。\\n ガンドを退け、世界蛇の影すらも凌駕している」", "404000131_10": "「……多少戦えるとは言え、あんな真似は俺にはできない」", "404000131_11": "「ユリウス……」", "404000131_12": "「俺には無理でもあの装者たちなら、\\n きっとミーナの、スクルドの助けになるだろう」", "404000131_13": "「……」", "404000131_14": "「そしてあの装者たちを支える者たち。\\n あれこそ俺自身が目指すべき役割なのだと思う」", "404000131_15": "「あの時、装者たちを救ったミーナの判断は正しかった」", "404000131_16": "「我々もあのようにありたいものだ。\\n 多くの世界から、希望を託されるに足るような者たちに……」", "404000131_17": "「……ええ」", "404000131_18": "(ごめんなさい……あなたたちをそうできなかったのは、\\n きっとわたしが――)", "404000131_19": "(……)", "404000131_20": "「せい――ッ!」", "404000131_21": "「相変わらず――可愛げのない攻撃をッ!」", "404000131_22": "「とかなんとか言いながら、しっかり防いでるデスね」", "404000131_23": "「うん、でも結構ギリギリ……?」", "404000131_24": "「さて、あたしらも始めるか?」", "404000131_25": "「もう少しあっちの戦いを見ていたいデスよ」", "404000131_26": "「仕方ないな、それじゃそっちの――」", "404000131_27": "「うーん……」", "404000131_28": "「どうしたの、響。考え込んで」", "404000131_29": "「うん……ミーナさんのことでちょっと……」", "404000131_30": "「敵がいなくなって、味方も無事。\\n 目的のミョルニルも回収できる、何が問題?」", "404000131_31": "「そんなわけないッ! ……そんなわけ、ありません。\\n 人が、たくさん亡くなったのにッ!!」", "404000131_32": "「こんなやり方、ダメです……。\\n 間違ってます……」", "404000131_33": "「…………」", "404000131_34": "「……悩んでるなんて響らしくないよ」", "404000131_35": "「確かに、悩んでいる暇があるなら行動するのがお前だろう?」", "404000131_36": "「うん……、\\n わたし、ちょっとミーナさんと話して来るッ!」", "404000131_37": "「……行っちゃった」", "404000131_38": "「そんじゃ、あのバカは放っておいて、\\n あたしらは引き続き訓練をやるか?」", "404000131_39": "「うん」" }