{ "334000311_0": "一時の休息", "334000311_1": "「むぐ……! うま……、美味い!」", "334000311_2": "「こんなに……肉が食べられるなんて!」", "334000311_3": "「んむ……んん……」", "334000311_4": "「え、ええっと、なんかすっごく勢いよくお肉を食べてるね」", "334000311_5": "「どんだけ肉が好きなんだよ……。\\n 話しかけても、全然聞こえてないぞ」", "334000311_6": "「戦闘が続いたから、よほど腹が空いていたのだろう」", "334000311_7": "「この肉に対する執着はそれだけじゃない気がするけど……。", "334000311_8": " そういや、あのリヴァイってやつはどうした?」", "334000311_9": "「エルフナインちゃんの研究室にいるよ。\\n 一緒に立体機動装置をメンテナンスするって」", "334000311_10": "「ああ、ブレードは使い捨てだし、ガスの補充が\\n 必要だって言ってたな」", "334000311_11": "「命を預ける装備だ。自分の目で見ておきたいんだろう」", "334000311_12": "「こっちはずっと肉をかき込んでるけどな」", "334000311_13": "「ふう……。僕たちの世界では、肉は貴重でめったに\\n 食べられないんだ。安価に手に入るなんて羨ましいよ」", "334000311_14": "「たくさんあるから食べて」", "334000311_15": "「じゃあ、おかわりを」", "334000311_16": "「はいはい、取ってきてやるよ」", "334000311_17": "「お前ら、なんか妙に仲良くなってないか?」", "334000311_18": "「そうだ、食事に夢中になってて忘れてた!\\n エレンに話さなきゃいけないことがあったんだ」", "334000311_19": "「なんだ?」", "334000311_20": "「エレンが巨人化したあと、巨人たちに囲まれて襲われただろう。\\n あのとき彼女が倒れた君を命がけで助けてくれたんだ」", "334000311_21": "「そうだったのか!?」", "334000311_22": "「覚えてないの?」", "334000311_23": "「あのときは意識が朦朧としてたからな。\\n てっきり、ミカサに助けられたもんだとばかり……」", "334000311_24": "「……どうしてオレを助けたんだ?」", "334000311_25": "「最初に言った通り、\\n 困ってる人がいたら助けるのは当然だよ」", "334000311_26": "「……」", "334000311_27": "「こいつの趣味は人助けだ。なんで、とか聞くだけ無駄だぞ」", "334000311_28": "「趣味か……。そんなものに命をかけるなんて\\n バカなヤツだな」", "334000311_29": "「ああ、こいつがバカっていうのは同意見だ」", "334000311_30": "「そんな……ッ!」", "334000311_31": "「無鉄砲っていう意味では似た者同士かもね。\\n エレンもよく無茶するから」", "334000311_32": "「こいつほどバカじゃないだろ!」", "334000311_33": "「エレンは私が見てないと無茶をする」", "334000311_34": "「はあ? お前はオレの保護者かよ」", "334000311_35": "「アハハハ」", "334000311_36": "「お互い、身内に無茶をする仲間がいると苦労するな」", "334000311_37": "「お前たちの帰りを待つ仲間ってのは、どんなやつらなんだ?」", "334000311_38": "「変なやつばっかりだけどな。\\n 変態研究者とか、肉を見ると周りが見えなくなるやつとか……」", "334000311_39": "「サシャがここの食事のことを知ったら大変だろうね……」", "334000311_40": "「だな。帰ったら自慢してやろう」", "334000311_41": "「たぶん、殺される」", "334000311_42": "「本当に、変わった仲間たちのようだな……」", "334000311_43": "「そっちも、ここにはいない仲間がいるの?」", "334000311_44": "「うんッ! わたしたちの仲間はね……」", "334000311_45": "「……整備に戻るか」", "334000311_46": "「確か、寝床を用意すると言っていたが、\\n 掃除は出来ているんだろうな……」" }