{ "328000221_0": "「新たなRN式回天特機装束を開発したのですか?」", "328000221_1": "「ええ、そういうこと」", "328000221_2": "「一応組み上げは終わったのだけど、未調律なの。\\n あなたたちには、その調律を手伝ってほしいのよ」", "328000221_3": "「RN式なんちゃらって……\\n おっさんがノイズと戦うために使ってる、アレだよな?」", "328000221_4": "「ええ、そうよ」", "328000221_5": "「機構については前に話したかしら?」", "328000221_6": "「RN式回天特機装束とは、\\n 二課が保有する聖遺物の欠片から構築した対ノイズ兵装よ」", "328000221_7": "「使用者に最低限のバリアコーティングと、\\n ノイズの位相差障壁の中和能力を対象に付与するわ」", "328000221_8": "「彼のは『RN式ガングニール』だったけど、\\n 今度のは『RN式天羽々斬』というわけ」", "328000221_9": "「前回のバルベルデの戦いの戦訓を元に、\\n アルカ・ノイズへの対応能力も盛り込んでいるけどね」", "328000221_10": "「ああ。前回は苦労したからな……」", "328000221_11": "「しかし、いくらRN式とはいえ、使用者を選ぶのでは?」", "328000221_12": "「おっさんレベルの人間離れしたやつじゃなきゃ、\\n まともに使えないんだろ?」", "328000221_13": "「人間離れとはご挨拶だな」", "328000221_14": "「それについては雪音に同感です……」", "328000221_15": "「本当にね。いい加減自覚しなさいな」", "328000221_16": "「むう……」", "328000221_17": "「ともかく、装備そのものを作るよりも、\\n 信頼できる使用者を見つけるのが困難なのは確かね……」", "328000221_18": "「そうだな……」", "328000221_19": "「だが、使用者を見つけてから武装を用意しようとしたのでは\\n 手遅れになることもある」", "328000221_20": "「ええ。増え続けているノイズに対抗するための切り札は、\\n 1つでも多く予め用意しておくに越したことはないわ」", "328000221_21": "「確かに……」", "328000221_22": "「この世界には、あたしらみたいな装者はいないしな……」", "328000221_23": "「そういうこと」", "328000221_24": "「それにしても、\\n ちょうど天羽々斬の適合者が来てくれてよかったわ」", "328000221_25": "「わたしがですか?」", "328000221_26": "「ええ。天羽々斬の起動時のフォニックゲイン波形を分析すれば、\\n RN式ガングニールの時よりだいぶ楽に調律ができるはずよ」", "328000221_27": "「それで、具体的にはどうすれば?」", "328000221_28": "「戦闘時の各種データをモニタリングさせてもらうだけでいいわ」", "328000221_29": "「模擬戦でも構わんのだろう?\\n どうせならば、俺が相手をしよう」", "328000221_30": "「司令が?」", "328000221_31": "「俺も自主訓練とシミュレータだけでは腕がなまってしまってな」", "328000221_32": "「承知しました。ならば、早速始めるとしましょう」", "328000221_33": "「やれやれ。こっちに来てもおっさんにシゴかれるのか……」", "328000221_34": "「頼んだわね、2人とも」", "328000221_35": "「ああ」" }