{ "326001231_0": "「本物じゃない……。\\n ただの記憶の存在なんかに、わたしは負けないッ!」", "326001231_1": "「……ッ!?」", "326001231_2": "「はあああああ――ッ!!」", "326001231_3": "「はあッ、はあッ……」", "326001231_4": "「これにも勝つなんて。\\n だけど、次はどうなるかな?」", "326001231_5": "「……言ったでしょ。わたしは負けないってッ!」", "326001231_6": "「でも、本当にいいの? このままだと、\\n あなたの大切な仲間が苦しみ続けることになるわよ」", "326001231_7": "「……え?」", "326001231_8": "「仲間たちはあなたを助けようとすればするほど、苦しみ、\\n 倒れていく。進む先には希望などないのに」", "326001231_9": "「ただあなたのために、傷つき、倒れる。\\n あなたの存在が、あなたの希望が、あなたの仲間を蝕むの」", "326001231_10": "「……そんな……」", "326001231_11": "「それがわかっているのに、あなたは仲間を追い込む。\\n 追い込んで追い込んで、最初に倒れるのは誰かしらね?」", "326001231_12": "「そんなことにはならないよ……」", "326001231_13": "「そうかしら?\\n ここは、あなたが思っている以上に深く暗い世界」", "326001231_14": "「マリスシードに侵された人間の精神に入るなんて、\\n 自殺行為、それをあなたの仲間は行っているのよ」", "326001231_15": "「…………」", "326001231_16": "「あなたとの絆は、仲間にとってなんだと思う?\\n 体を蝕み、窮地へ追い込むもの……それを『呪い』というのよ」", "326001231_17": "「ッ!? そんな……違うッ!」", "326001231_18": "「違うかどうかは、このまま続ければわかるわ。\\n もっとも、わかるころには大事な仲間はどうなっているか……」", "326001231_19": "「それでもあなたは、仲間に手を伸ばすのかしらね?」", "326001231_20": "「…………」", "326001231_21": "(わたしは、手を伸ばしていいの……?\\n みんなを本当に危険から遠ざけたいなら、わたしは――)", "326001231_22": "「手を繋ごうとすれば、その相手が苦しむ……。\\n そんなの、繋げるはず……ない、よ……」", "326001231_23": "(でも――それでも、1人にはなりたくない……。\\n みんなと、一緒にいたいよ)", "326001231_24": "「わたしは、どうしたらいいんだろう……」", "326001231_25": "「…………」", "326001231_26": "「ッ! サンジェルマンさん……」", "326001231_27": "(……わたしが、1人で戦い抜けば……)", "326001231_28": "「――いきますッ!」" }