{ "326001211_0": "響を救うための鍵", "326001211_1": "「戻ってきたのね、2人とも」", "326001211_2": "「ただいまデス」", "326001211_3": "「……あれ?」", "326001211_4": "「……もしかして切ちゃんも?」", "326001211_5": "「ッ!? おふたりとも大丈夫ですかッ!?」", "326001211_6": "「その……全身がだるくて、起き上がれないデスよ……」", "326001211_7": "「うん……全然力が入らない……」", "326001211_8": "「まさか……そんな……」", "326001211_9": "「急ぎメディカルチェックを行ったところ、調さんと切歌さんは\\n 極度の疲労状態といった結果が出ました」", "326001211_10": "「ただの疲労だったのね、よかった……」", "326001211_11": "「はい……。ですが今回のおふたりの状況、この前のセレナさんの\\n 消耗もですが、短い時間で極度の疲労に見舞われています」", "326001211_12": "「そういわれれば、確かに……。\\n あたしの時もかなりキツかったけど……」", "326001211_13": "「はい。響さんから大量の瘴気が出現した後からのアクセスに\\n おいて、疲労度合いがかなり上昇しているように感じます」", "326001211_14": "「これは推測ですが、響さんの中にある異物に近づいている\\n 証左ではないかと」", "326001211_15": "「しかし、それなら何故、奏はあんなにも元気だったのか……。\\n やはり、気を遣ってなのか?」", "326001211_16": "「あたしの話かい?」", "326001211_17": "「うん。\\n 奏は、本当に身体の方はなんともなかったの?」", "326001211_18": "「了子さんにも見てもらったけど、特に問題はなかったよ。\\n 疲労の方も大したことない」", "326001211_19": "「こちらで軽くチェックしたときも、\\n 疲労の蓄積はほとんど見られませんでした」", "326001211_20": "「でも、どうして奏さんだけ……?」", "326001211_21": "「さあ、何か特別なことをしているわけでもないしね……。\\n ブリーシンガメンの効果とか?」", "326001211_22": "「いえ、複数の聖遺物の制御は、\\n 普通に考えれば通常よりも消耗が激しくなります」", "326001211_23": "「疲労が増すならまだしも、軽減されるなんて真逆の効果は\\n 考えにくいです……」", "326001211_24": "(体力や精神的な何かでしょうか……?\\n それともそれ以外のなんらかの条件が関係している……?)", "326001211_25": "(どちらにしても奏さんだけが疲労の効果を受けない、\\n なんらかの条件付けがあるのかも……)", "326001211_26": "「それじゃますます心当たりはないね……。\\n まあ、なんにしても消耗が少ないってのはいいことだろ?」", "326001211_27": "「それは、そうなんですが……」", "326001211_28": "「ならそれでいいじゃないか。\\n あいつを助けるために、頑張らせてもらうよ」" }