{ "325000111_0": "巨大怪獣現る", "325000111_1": "「遅いな……。残りのやつは何やってるんだ?」", "325000111_2": "「小日向はギアの調整中で今回は休みとして、\\n 残りは月読と暁か……」", "325000111_3": "「デパートのタイムセールに寄ってくると言っていたから、\\n そろそろ来るころだと思うわ」", "325000111_4": "「おまたせデース。見てください、大漁デスよッ!\\n タイムセール万歳デスッ!」", "325000111_5": "「切ちゃんのおかげで日用品も安く買い溜めることができた。\\n これでしばらくは安心」", "325000111_6": "「それが華の高校生のする話か?」", "325000111_7": "「しかし、買い物にしてはやけに時間がかかっていたようだが」", "325000111_8": "「実は、店員さんからこれをもらって、\\n 遅くなっちゃったんデスよ」", "325000111_9": "「チケット?」", "325000111_10": "「はい、特撮ヒーローショーのチケットです。\\n 買い物をしたら店員さんがくれたんです」", "325000111_11": "「今、子供たちの間で巨大怪獣との戦いが激熱の、\\n 大人気特撮ヒーローなんデスッ!」", "325000111_12": "「そういやこの前、2人してあたしの家で見てたな。\\n 主人公がアイテムを使って巨大化するやつだろ」", "325000111_13": "「わたしも知ってるよッ!」", "325000111_14": "「それって昔からあるシリーズ物だよね。\\n デパートの屋上でやってるの、見に行ったことあるよッ!」", "325000111_15": "「行ってたのか。まあ、まったく違和感ないけどな」", "325000111_16": "「子供の頃だけどね。怪獣がステージから降りてきて、\\n 観客の子供を人質だーッ! って連れて行っちゃうんだよね」", "325000111_17": "「それでヒーローが助けてくれて、\\n 最後に握手もしてくれるんだよ」", "325000111_18": "「おおッ! それはなんだかとっても楽しそうデスッ!」", "325000111_19": "「好きなら行ってくればいいじゃない?」", "325000111_20": "「あッ、うーん……好きは好きデスよ、だけど……」", "325000111_21": "「なんだよ、行かないのか?」", "325000111_22": "「高校生でヒーローショーに行くのは\\n 少し子供っぽいかなと思って……」", "325000111_23": "「そんなことはないだろう。\\n 以前、立花の学友や司令も嗜んでいると聞いたことがあるぞ」", "325000111_24": "「大人が見ても楽しめるってやつだな。\\n おっさんの場合は別の理由で見てそうだけど」", "325000111_25": "「まあ、行くかどうかは、ゆっくり決めればいいんじゃないかしら」", "325000111_26": "「だけど、期限が結構せまってて……」", "325000111_27": "「じゃ、じゃあ、みんなで行くっていうのはどうデスか?」", "325000111_28": "「…………」", "325000111_29": "「うーん、最近のは見てないからなー……」", "325000111_30": "「あんまり知らないのに見に行くのもな……」", "325000111_31": "「いや、でもこの機会にまた好きになるということも……」", "325000111_32": "「そうデスよッ! このヒーローのデザインとか、\\n かっこよくないデスか?」", "325000111_33": "「どこか愛嬌のある怪獣たちもまたいい」", "325000111_34": "「確かに……ちょっと面白そうかもな」", "325000111_35": "「フフ、揺れてきたデスね。2人はどうデスか?\\n 見たことないなら、見てみるのもアリだと思うデスッ!」", "325000111_36": "「ヒーローショーか……。\\n そういったものとは縁がなかったから、行ってみようか」", "325000111_37": "「何言ってるのよ。わたしやあなたがたくさん人が集まるところに\\n 行ったら大騒ぎになるでしょ」", "325000111_38": "「変装すれば問題ないと思ったが、やはりそれでもダメ――」", "325000111_39": "「ギャラルホルンのアラートだ。\\n すぐ発令所へ来てくれ」", "325000111_40": "「了解です。\\n 話はあとだ、急ぐぞッ!」", "325000111_41": "「はいッ!」", "325000111_42": "「……これは、どういうことだ?」", "325000111_43": "「司令、全員揃いました」", "325000111_44": "「ああ、ご苦労」", "325000111_45": "「あの、師匠。アラートが止まってるみたいですけど……?」", "325000111_46": "「いえ、ギャラルホルンは確かにアラートを発しました」", "325000111_47": "「それが、勝手に治まったってこと?」", "325000111_48": "「はい、ボクにもどういうことなのか……」", "325000111_49": "「まさか、先に誰かが解決したとか?」", "325000111_50": "「もしかして、\\n アタシたちの知らない正義のヒーローが現れたんデスかッ!?」", "325000111_51": "「正義の……ヒーロー?」", "325000111_52": "「ごめんなさい、なんでもないわ。\\n 続けてちょうだい」", "325000111_53": "「今はやんでいるが、アラートが鳴ったことは事実だ。\\n 念のために調査はしたほうがいいだろう」", "325000111_54": "「ボクもそう思います。\\n アラートを発したことで、新しい並行世界と繋がっていますし」", "325000111_55": "「念には念をってことだな」", "325000111_56": "「ああ、そうだ」", "325000111_57": "「では、今回は、響くんに翼、それと、\\n クリスくんにマリアくんの4人に行ってもらおう」", "325000111_58": "「わかりましたッ!」", "325000111_59": "「アタシたちはお留守番デスか……」", "325000111_60": "「調さんと切歌さんは、近々検査があるので、\\n 今回はこちらに残るようにお願いします」", "325000111_61": "「わかったデス」", "325000111_62": "「みなさん、気をつけてください」", "325000111_63": "「ありがとう。じゃあ、行ってきますッ!」", "325000111_64": "「ああ、任せとけ」" }