{ "375000611_0": "世界分かたれし理由", "375000611_1": "「さ、寒ぃッ!\\n 仮想世界で、この寒さを再現する意味はあるのか?」", "375000611_2": "「この景色で寒さを感じなかったら、変だからデスかね?」", "375000611_3": "「寒さを感じた後に、暖かい場所に入ると、ほっとしない?\\n 厳しい自然と、そこから逃れる安心感も娯楽に転化してる」", "375000611_4": "「そんなもん、需要はあんのか?」", "375000611_5": "「暴論だけど、お化け屋敷とかジェットコースターも同じ。\\n 生命の安全を保障した上で、死の危険を体験させる」", "375000611_6": "「今となっては、生命の保障だけ失ってますけどね。\\n ただ、コンセプトは素晴らしいと思いますよ」", "375000611_7": "「こう寒いと、推奨レベルってのもアテにならないくらい、\\n 難易度高いよな……ペンタスは無事なのか?」", "375000611_8": "「ゆっくり探してると、悪意のあるプレイヤーより先に、\\n ペンタスさんは、寒さにやられちゃうかもデスよ」", "375000611_9": "「助手、確かペンタスのいる座標を知ってるんでしょ?\\n さっさと報告」", "375000611_10": "「このエリアにいるとしか分かってませんけど……、\\n ペンタスが、雪の女王でもない限り、あそこにいるかと……」", "375000611_11": "「そうか。このエリアに建物は砦が1つあるだけ……」", "375000611_12": "「この世界の産みの親ですから、裏技的なものを仕込んでいる\\n 可能性もありますが……もしそうだったらお手上げですね」", "375000611_13": "「見るデス。先に行ったプレイヤーたちの足跡も、\\n みんな、砦の方角に向かって伸びてるデスよッ!」", "375000611_14": "「考えることは同じ……というか、\\n そこしか無いってことだな」", "375000611_15": "「あたしたちも、砦に向かうより他にないよな。\\n じっとしてても寒いし、とにかく進むか」", "375000611_16": "「グオォォォォッ!」", "375000611_17": "「あっさり出鼻を挫いてくるデスねッ!」", "375000611_18": "「邪魔……」", "375000611_19": "「1対1になるなよッ! 数的優位を作って安全にだッ!」" }