{ "361000411_0": "望む星を掴むために……", "361000411_1": "「おはよう、ひかりちゃん。\\n いつもより早いけど……朝練?」", "361000411_2": "「ちょっと待ってて、すぐ支度するからわたしも――」", "361000411_3": "「ごめんなさい、華恋。\\n 今日は翼と朝練の約束をしていて」", "361000411_4": "「それじゃあ、わたしも一緒にやるッ!」", "361000411_5": "「……華恋、今日は翼と2人でいいかしら?\\n きっと……翼は見られたくないんじゃないかと思うの」", "361000411_6": "「どういうこと……?」", "361000411_7": "「彼女はプロのアーティストだから……。わたしの言いたいこと、\\n 華恋だったらわかってくれるでしょう?」", "361000411_8": "「うん、なんて言ったらいいのかわからないけど……」", "361000411_9": "「翼さんは懸命になっている姿、\\n 他人に見られたくないかもしれないね」", "361000411_10": "「きっと、これまでもそうやって、\\n 努力を重ねてきたんだろうなぁ」", "361000411_11": "「だって、とっても魅力的な歌だったもんね。\\n わたしも惚れ惚れしちゃった……」", "361000411_12": "「だから――」", "361000411_13": "「わかってるよ、ひかりちゃんッ!\\n このオーディションが終わったら、また一緒に朝練しよう」", "361000411_14": "「ええ、必ず」", "361000411_15": "「華恋……ありがとう」", "361000411_16": "「うんッ!」", "361000411_17": "「……ひかりちゃん、行っちゃった」", "361000411_18": "「わたしも2人に負けてられないな。\\n 早く目覚めたし、別のレッスン室に行こっとッ!」", "361000411_19": "「出席番号1番、愛城華恋入りますッ!」", "361000411_20": "「あッ、おはよう。華恋ちゃんッ!」", "361000411_21": "「響ちゃん、自主練してたのッ!?」", "361000411_22": "「うん、わたしは翼さんやマリアさんのように、\\n ステージに立った経験ないから」", "361000411_23": "「その差を頑張って埋めなきゃ、って」", "361000411_24": "「……そうだッ! ねぇ、華恋ちゃん。\\n わたしの先生になってよッ!」", "361000411_25": "「えッ、わ、わたしが先生ッ!?」", "361000411_26": "「でも、わたしはいつも上手いみんなに\\n 引っ張ってもらってて……」", "361000411_27": "「わたしから見れば、華恋ちゃんのレヴューは、\\n とっても魅力的だよッ!」", "361000411_28": "「だから、いろいろ教えてもらいたいなって思ったんだ」", "361000411_29": "「響ちゃん……」", "361000411_30": "「わかったッ!\\n わたしでよかったら、先生させてッ!」", "361000411_31": "「新米の『先生』だけど……、\\n 力になれるように頑張るからッ!」", "361000411_32": "「ありがとう。\\n よろしくお願いしますッ!」", "361000411_33": "「それじゃあ、まずはストレッチからやっていこうか」", "361000411_34": "「はい、先生ッ!」", "361000411_35": "「じっくりしっかりやっていこうね。\\n 息を止めないで、1・2・3・4」", "361000411_36": "「いてッ! いてて……。\\n うぅ、普段から身体は動かしてる方なんだけどなぁ」", "361000411_37": "「もしかしたら、普段の身体の動かし方とは\\n ちょっと違うのかも」", "361000411_38": "「わたしがお手本やってみるね」", "361000411_39": "「わぁ、すごい……ッ!」", "361000411_40": "「最初は痛くても、だんだん柔らかくなってくるよ」", "361000411_41": "「だんだんってことは、日々の積み重ねなんだね。\\n わたしも頑張らなきゃ」", "361000411_42": "「それじゃあ、レッスン始めようか。\\n 新米先生だけど、ビシバシいくからねッ!」", "361000411_43": "「よろしくお願いします、先生ッ!」", "361000411_44": "「……ふぅ、ちょっと休憩にしようか」", "361000411_45": "「最初から結構トバしちゃったけど、大丈夫?」", "361000411_46": "「へいき、へっちゃらッ!\\n まだまだ頑張れるよッ!」", "361000411_47": "「すごいなぁ。\\n 普通だったらすぐ根上げちゃうのに」", "361000411_48": "「なんで、そんなに頑張れるの?」", "361000411_49": "「うーん……翼さんもマリアさんも、すごいからかな」", "361000411_50": "「どういうこと?」", "361000411_51": "「華恋ちゃんに見せてあげたいぐらい、\\n 2人のステージって素敵なんだ」", "361000411_52": "「もしわたしがこのオーディションで足を引っ張って、\\n 負けちゃうようなことがあったら……」", "361000411_53": "「わたしのせいで2人が『キラめき』を失ったら……、\\n そんなの、絶対耐えられないんだ」", "361000411_54": "「でも、今のわたしじゃ\\n 2人の『キラめき』を護れないから……」", "361000411_55": "「舞台も舞台少女も未完成。\\n わたしたちは日々進化中なんだよッ!」", "361000411_56": "「だから、響ちゃんだってこうして特訓を重ねていれば\\n 素敵な舞台少女になれるよッ!」", "361000411_57": "「持つべきは『強い信念』かな」", "361000411_58": "「強い……信念……?」", "361000411_59": "「そう、どんなツライ時だって\\n 信念があれば乗り越えられるはずだよ」", "361000411_60": "「ということは……華恋ちゃんも持ってるんだよね?\\n 強い信念」", "361000411_61": "「もちろんッ!」", "361000411_62": "「わたしが舞台少女を目指したきっかけはひかりちゃんと\\n 子供の頃に観たスタァライトって舞台だったんだ」", "361000411_63": "「すっごく感激して、ひかりちゃんと\\n 『いつか一緒にあの舞台に立とう』って約束したの」", "361000411_64": "「そのための努力なら、\\n わたし、なんだって乗り越えられちゃうッ!」", "361000411_65": "「そっか……その気持ちが\\n 華恋ちゃんの『キラめき』の元になってるんだね」", "361000411_66": "「わたしは……翼さんとマリアさんの『キラめき』を護りたいッ!」", "361000411_67": "「お互い、頑張ろうね」", "361000411_68": "「うんッ!\\n 先生、練習の続きをお願いしますッ!」" }