{ "311000911_0": "Beyond the Speed", "311000911_1": "「マリアッ、どんどん離されてるッ!」", "311000911_2": "「くう――ッ!\\n まだ速度が上がるというのッ!?」", "311000911_3": "(……翼、わたしたちは絶対に諦めない。\\n ――だからあなたも、さっさと来なさいッ!)", "311000911_4": "「高速型が大量に……ッ!」", "311000911_5": "「あんたには、こいつら程度の相手がお似合いだ。\\n 俺は向こうの決着を見届けにいく」", "311000911_6": "「待てッ!」", "311000911_7": "「じゃあな」", "311000911_8": "「……くそッ! はああ――ッ!」", "311000911_9": "(こんなところで時間を取られている間にも、\\n 超高速型アルカ・ノイズは――)", "311000911_10": "(いや、まだだッ!\\n 心象変化さえ起こせれば……)", "311000911_11": "「集中しろ……、\\n 速さを、誰よりもスピードを求めるんだ……」", "311000911_12": "「バイクより、もっと上のスピードをッ!」", "311000911_13": "「頼む……ライダー型ギアに、\\n 変わってくれ――ッ!!」", "311000911_14": "「ダメ、だったか……」", "311000911_15": "「わたしにできることは、もう……」", "311000911_16": "「――何、ぼさっとしてんだッ!」", "311000911_17": "「チッ、まったくちょこまかと……」", "311000911_18": "「雪音ッ!?」", "311000911_19": "「はあああああ――ッ!」", "311000911_20": "「いくデスよッ!」", "311000911_21": "「お前たちッ! どうして……」", "311000911_22": "「どうしても何もあるかッ!」", "311000911_23": "「わたしたちも戦いますッ!」", "311000911_24": "「しかし、高速型のスピードには――」", "311000911_25": "「まあ見てなって。\\n いくぞッ!!」", "311000911_26": "「うんッ!」", "311000911_27": "「全力全開デスッ!」", "311000911_28": "「高速型を……倒したッ!?」", "311000911_29": "「あたしらだって遊んでたわけじゃないんだ。\\n こうやって連携すりゃ倒せるッ!」", "311000911_30": "「秘密特訓のかいがあったねッ!」", "311000911_31": "「大変だったデスよ……」", "311000911_32": "「3人とも……」", "311000911_33": "(そうだ、わたしは……、\\n どうしてできないと決めつけていたんだ)", "311000911_34": "(わたしには、バイクがあるッ!)", "311000911_35": "「さっさとあの厄介なのを仕留めにいってくれッ!」", "311000911_36": "「ここは任せてくださいッ!」", "311000911_37": "「おいしいところは譲るデスよッ!」", "311000911_38": "「ああ、わかったッ!\\n ありがとう、3人ともッ!」", "311000911_39": "「もっとだ、もっと速く走ってくれ……ッ!」", "311000911_40": "(追いつけるか……いや、わたしたちなら、きっとッ!)", "311000911_41": "「やっと立ち上がったのね、翼ッ!」", "311000911_42": "「――ッ!\\n ああ、遅くなったな」", "311000911_43": "「超高速型は依然加速中です」", "311000911_44": "「あなたの力が必要なのッ!」", "311000911_45": "「ギアを変化させなさいッ! 今度こそッ!」", "311000911_46": "「わかっているッ!\\n しかし、先ほども失敗して……」", "311000911_47": "「あなたにできないはずがないわッ!\\n 考えて。心象変化に、何が足りないのかッ!」", "311000911_48": "「翼さんなら、見つけられるって信じてますッ!」", "311000911_49": "「わたしに足りなかったもの。\\n わたしが、見落としていたもの……それは……」", "311000911_50": "「自分自身がバイクの一部になって\\n 風を裂いているような、不思議な感覚だ」", "311000911_51": "「悩みがあっても、\\n その瞬間は全てを忘れて走りに集中することができる」", "311000911_52": "「そのバイクは、大切な相棒なんですね」", "311000911_53": "「いい相棒すぎて、悔しいくらいだわ」", "311000911_54": "「……ああ、そうだな」", "311000911_55": "「そうか、わたしは……スピードの停滞を相棒のせいにして、\\n 1人だけで速さを求めようとしていた……」", "311000911_56": "「これまでずっと、一緒に走ってきたというのに……ッ!」", "311000911_57": "「限界を超えるならば、お前も一緒にだ。\\n ついてきてくれ――ッ!!」", "311000911_58": "「はああああ――ッ!!」", "311000911_59": "「いざ、友と往かんッ!!」" }