{ "308000611_0": "振袖に刻まれた呪い", "308000611_1": "「なッ!? こちらではそんなに時間が経っていたのか……」", "308000611_2": "「どうりで調と切歌が離れないわけね……」", "308000611_3": "「わたしたちの感覚では、\\n 半日くらいの感じだったんですけど……」", "308000611_4": "「恐らく、みなさんが囚われたその場所は時間の流れが\\n 異なるのだと思います」", "308000611_5": "「それで、どんなことがあったのか、詳しい話を聞かせて\\n もらえませんか?」", "308000611_6": "「そうだな。何があったのか知っておきたい。\\n なるべく細かく話してくれ」", "308000611_7": "「わかりました。強い光に包まれ気づいたときは\\n 屋敷のような迷宮にいました。そこは――」", "308000611_8": "「そうして、迷宮の鍵と思われる振袖の怪物を撃破し、\\n こうして戻ることが出来ました……」", "308000611_9": "「大変だったんですね……」", "308000611_10": "「振袖の怪物、それに振袖型のギアか……」", "308000611_11": "「触媒と無関係とは思えません。\\n やはり、その振袖が触媒となっているのではないでしょうか」", "308000611_12": "「触媒……? どういうこと?」", "308000611_13": "「すみません。その説明がまだでした。今回の事件の原因は、\\n 錬金術によるものである可能性が高いとわかったんです」", "308000611_14": "「錬金術……」", "308000611_15": "「錬金術師によるものである以上、必ず核となる触媒が\\n あるはずだと調べていたところだったので……」", "308000611_16": "「ま、それはそれでいいだろ。\\n こうして帰ってこれたんだし」", "308000611_17": "「そういうわけにもいかん。まだまだ謎が多い状況だからな。\\n S.O.N.G.としての真相解明は急務だ」", "308000611_18": "「そういうややこしい事はそっちに任せるっての。\\n それより――」", "308000611_19": "「さっき話してた振袖型のギアが気になるデスッ!」", "308000611_20": "「うん、気になるよね」", "308000611_21": "「それなら、実際に試してみてはどうでしょうか。\\n ボクも是非データを取りたいので……」", "308000611_22": "「お前たち、大丈夫なのか?\\n 戻ってきてさほど休んではいないだろう?」", "308000611_23": "「いえ、それくらいなら大丈夫です」", "308000611_24": "「そうね。軽くなら」", "308000611_25": "「わたしも大丈夫です」", "308000611_26": "「なら話は決まりだ。\\n その振袖型ってのを見せてもらおうじゃねーかッ!」", "308000611_27": "「おお~(デス)ッ!」", "308000611_28": "「どうだろうか。こんな感じなんだが」", "308000611_29": "「どうかと思ったけど、普通に纏えるわね」", "308000611_30": "「はい、意識しなくても変化してました」", "308000611_31": "「うう……羨ましいデス……。\\n まさに、ヤマトナデシコデースッ!」", "308000611_32": "「……ちょっと、興味ある」", "308000611_33": "「大事なのはそれが戦力になるかどうかだろッ!\\n 手加減抜きでいくからなッ!」", "308000611_34": "「ああ、構わない。よろしく頼む」" }